繁華街片町の老舗料亭・銭屋が,ひがし茶屋街に出しているお店・
2016年6月刊行のミシュランガイド富山・石川(金沢)版に収録されていて,本店といえる銭屋さんが2つ星と高評価。茶屋街らしい店構えやしつらえも含めた期待が増します。
江戸時代の茶屋建築を,外観から入口はそのままに,
店内は,大きなコの字型カウンターの他,1階の一部や2階を個室にリノベートしたつくりです。
茶屋街の和食では珍しい,おひとり様でもくつろげるカウンター席
玄関は茶屋当時の面影とどめる改装なので,靴を脱いで入る形式ですが,こちらのカウンターは畳敷きの和室に掘りごたつ式のため,リラックスできます。
茶屋街で,このようなカウンターで日本料理を食べられて,昼下がりでもお酒が飲めるところは少なく,席さえ空いていれば,おひとり様でもぶらりと入れる貴重なお店。最後に書くように,ランチタイムが終わる午後2時以降午後4時まで,甘味やお酒だけの利用ができるのも,他にあまりない点です。
もっとも,ひがし茶屋街でも,銭屋さん経営ということはよく知られており,夜は当然として,ランチタイムに食事でも予約が望まれます。
内庭を望むお茶屋のしつらえにジャズが流れる
カウンターの正面は,内庭でほっこりする空間。そこに流されているのが,緩めのジャズで,客層に合っています。茶屋街にして,女子率の高いお店です。
お酒は,日本酒なら地元の各種吟醸酒が。ビールやワインなども,ひととおりあります。胡麻豆腐でまず一杯。
昼のお弁当にはないですが,予約していたので,別料金でのお造り。夏のこの時期,鱧も。
竹籠弁当には,青もみじのあしらい。
お弁当は,ばい貝や生麩など,地物の素材を組み合わせて。
こちらも,別料金で合わせられる加賀料理の定番,治部煮。
合鴨に小麦粉か片栗粉をまぶして,だし汁,酒,みりん,醤油などで,やや甘めに炊いたものです。とろみのあるつゆに,独特の食感のすだれ麩,そこに,わさびがアクセント。写真だけ見ていると,その色から,味噌仕立てと想像されることもありますが,味噌は使いません。
お酒が止まらなくなったので,追加で一品。合鴨の別のお料理を。
デザートにアイスクリームの後,最後に別注文でお抹茶を。
料理とお酒の満足が,お抹茶と上生菓子で引き締まります。お弁当ながら会席料理を志向する流れで,これも料亭の考えるお昼でしょう。
ランチ終了後は,お酒や甘味だけの利用でも
なお,ランチが終わった午後2時から4時までは,お酒だけや甘味だけの利用もできます。
先ほどのカウンターでは,ランチタイムの終わり頃からも,ビールをはじめお酒を飲みに来た方が,いらっしゃいました。とくに,茶屋街で,昼下がりから夜にならないうちにお酒を飲める店は少なく,その中でも一番ゆったりしているお店といえます。