北陸新幹線で行く,はじめての金沢

お庭,お菓子,お魚,お酒が揃う城下町をまわるため,金沢出身・東京在住者が往復しながらヒントを書いていきます。

東京駅の東海道↔東北・上越・北陸の乗換改札に残る壁:モバイルSuica特急券やEX-ICの利用不可

東京駅だけの新幹線同士の乗り換え改札

東京駅の東北・上越・北陸新幹線はJR東日本,東海道新幹線はJR東海です。両社の新幹線を,在来線に出ずに,直接乗り換えられる改札があります。しかし,その改札では,両社でシステムの違うICカード類が使えません。現状は,下の図です。

f:id:KQX:20180401021528p:plain

新幹線同士の乗換改札は,現在は東京駅だけ。新幹線の会社境界駅は,他に,新青森,上越妙高,新大阪,博多があります。東京以外の境界駅にはすべて,直通列車があって,特急券も通しのものが存在。それら駅では,別会社間でも特別な改札はありません。会社ごとに改札から分かれている新幹線駅は,東京駅だけです。

毎時最大15本が発車する新幹線の間に

東京駅の新幹線同士の乗り換え改札を,東北・上越・北陸新幹線側から東海道新幹線方向に撮ったもの。手前がJR東日本で,奥がJR東海です。

f:id:KQX:20170530102257j:plain

たとえば,仙台・新潟・金沢・大宮方面から東京に着き,東海道の新横浜・名古屋・京都・新大阪方向へ乗り換えるとき,ここが最短経路。両線のホームが並んでいるため,階段そばなら,2分ほどで余裕の乗り換えができます。

一部の発車表示が見えていますが,東北・上越・北陸は,あわせて4分ごと,毎時15本の発車が基本。奥の東海道ではやや不規則で,毎時14本ペースで発車するダイヤです。あわせて毎時29本の新幹線が全国へ出発する点で,高速鉄道としては世界で最過密のターミナル。それは,東京一極集中の原因とも,結果ともいえます。

ここはEX-ICやモバイルSuicaで通れません

この都心ど真ん中の改札に,「Suica・EX-IC通れません」と大きな警告。片方でも,モバイルSuica特急券タッチでGo!新幹線Suica定期券などか,EX-ICスマートEXの場合は,ここを通れません。掲示では,有人の通路でも対応できず,上の図のように新幹線→在来線→新幹線と回れという指示。すると,大きく迂回する経路で,5分でも不安です。

ちなみに,東海道側から東北・上越・北陸側を見ても,同じ警告です。

f:id:KQX:20171003101254j:plain

東京を越える,この乗り換え改札の利用者も,大勢います。航空機と互角になる仙台—名古屋といった大都市間の流動はもちろん,北関東から中京・関西間には企業が連なり,切れ目なく出張客がいます。

さらに,一方の新幹線を東京まで,定期券で利用する乗客も多数。その先に出張や旅行のとき,いつものICカードでここを通れれば,乗り換えは楽です。

そういうとき,どちらかがICカードかモバイルSuicaのため,この最短経路を通れない面倒は,多発しているはず。しかも,はじめてなら,現場で気付くのです。しかし,両システムに対応する費用が巨額だからか,費用分担で両社が折り合わないのか,改修されていません。

別の展開をする両新幹線のICカード

両新幹線で,チケットレスで乗れるICカード類は,まったく別の展開です。

以上のほかに,両方とも定期券があります。それらは,以下のように複雑です。

新幹線に乗れるICカードの比較(定期券以外)
新幹線 対象 サービス ICカード 支払方法 年会費 割引
東海道
山陽

JR
東海
西日本
全線
全席
エクスプレス
カード会員
専用の
EX-IC

モバイル
Suicaの
利用も可
エクスプレスカード
J-WESTカード・
エクスプレス
1080円
プラスEX会員 国内発行の
おもなカード
1080円
各クレカ
の特約
*1
スマートEX 交通系IC
(下記)
主要ブランド
のカード
無料 *2
東北
上越
北陸

JR
東日本
西日本
全線
全席
モバイルSuica
特急券
モバイル
Suica
主要ブランド
のカード

Apple Pay
1030円
ビュー
カード
は無料
スーパー
モバトク
*3
モバトク
関東の
自由席
タッチでGo!
新幹線
交通系IC
(下記)
ICカードの
チャージ額
無料
モバトク
に準じる

交通系ICカードの全国相互利用対象:Kitaca, Suica, PASMO, TOICA, manaca, ICOCA, PiTaPa, SUGOCA, はやかけん, nimoca

東海道・山陽:専用クレカ→専用ICカード→交通系ICカード

東海道・山陽では,JR東海か西日本のクレジットカードを作らせるエクスプレス予約会員に,ICカード・EX-ICを発行しています。これが日本ではじめての,チケットレスで新幹線に乗れる仕組みでした。サービスインは2008年で,新幹線にICカードで乗れる仕組みは,10年以上前からあるわけです。

当初は,専用のクレカが必要だったところ,国内発行の主なクレジットカード会員なら,特約でプラスEX会員になれるよう,拡張されています。すると,予約と割引ではEX-ICと同等の,プラスEXカードが作られます*4

以上は年会費を払って,専用のICカードがつくられるもの。また,同じ年会費で,モバイルSuicaにも,EX-IC機能を付加できます*5。モバイルSuicaはクレカの登録やApple Payで,東北・上越・北陸のモバイルSuica特急券も買えます。(ビューカード以外では)両社の年会費が別にかかるものの,北海道から博多までの新幹線全席にチケットレスで乗れるのはモバイルSuicaだけ。電子マネーと予約アプリを一台でこなせる強みです。

2017年9月30日からは,支払に使うクレカを登録すれば,手元の交通系ICカード(Suica,PASMO,ICOCAなど)で乗れるスマートEXがはじまっています。このサービスでは,新幹線の運賃と料金は,改札にタッチするSuicaなどの残高ではなく,登録したクレカで支払われます。(会員になれば)手元の交通系ICカードで,新幹線に乗れるという特徴も,これがはじめてでした。

ただし,スマートEXは,年会費がない分,EX-ICと比べて,割引は限定的です。グリーン車に乗れるポイントも付きません。ターゲットは,エクスプレス予約の年会費に抵抗のある,ライトユーザーです。というのも,多くの区間で,1年に1往復さえすれば,エクスプレス予約の年会費を払っても,その方が大きな割引となるからです*6

東北・上越・北陸:モバイルSuica特急券→タッチでGo!新幹線

東北・上越・北陸には,エクスプレス予約のような専用のICカードはなく,チケットレスで乗る方法は,(Suica定期券の他は)モバイルSuica特急券だけでした。

モバイルSuica特急券は,登録したクレカかApple Payで年会費と料金を払う仕組み。また,エクスプレス予約の特約も付けると,別のアプリで東海道・山陽新幹線にも乗れます。しかし,年会費の負担と決済のクレカがいることから,カードのSuicaほど普及していません*7

2018年4月1日からは,事前に1回だけ券売機で登録しておけば,手元の交通系ICカード(SuicaやPASMO,ICOCAなど)だけで乗れる,タッチでGo!新幹線がはじまっています。こちらはSuicaなどのチャージ額による支払のため,利用可能な区間は,それで払える近距離に限られます。導入時は,東京―那須塩原・上毛高原・安中榛名の範囲です。

現在のSuicaの規格では,チャージの上限が2万円で,全線の支払はもともと不可能です*8。また,現状で指定席の利用ができないのも,自動改札のタッチ時にチャージ額を支払うだけでは,不適切な予約が懸念されるからです。それは,予約だけ入れて,当日は利用も支払もしない悪用です。

JR東日本のプレスリリースでは,指定席でも2019年度末を目途に導入を検討と加えられています。それには,取消手数料や,ノーショーの場合の特急券相当額を課金できる,決済手法の工夫が必要でしょう*9

カードのSuicaなどでの利用も,支払手段は別方向

このように,カードタイプのSuicaなどで新幹線に乗れる進化は,まったく別方向です。東海道・山陽ではクレカ引き落としのスマートEX,東北・上越・北陸ではチャージ額で支払のタッチでGo!新幹線です。さらに後者は,関東の自由席限定という大きな制約があります。現時点で互換性はなく,一方の登録でもう一方もできるといった混同もありそうです。

両陣営は別の進展で,比較はどんどん面倒に

結局,新幹線のICカード類は,基盤が共通化される方向ではなく,JR東日本とJR東海それぞれが,自社のシステムの利用者を増やそうとする,主導権争いの最中。両対応の自動改札機を開発する誘因は,読み取れません。

これだけあると,区間と予約,発券の条件によって,安くて便利な乗り方は変わります。たとえば,EX-IC導入時から,新幹線駅まで(から)在来線をある程度長く乗る場合には,紙のきっぷで,在来線の着駅まで通しの乗車券を買う方が安いことが知られています。乗車券の運賃計算では,長い距離になるほど,距離当たりの運賃が逓減していくからです*10。それには,上の表だけでなく,紙のきっぷの割引がある,JR東日本のえきねっと,西日本のe5489などの比較も必要です*11

写真の改札にある制限の説明はどこに…

ところで,写真の乗り換え改札が,SuicaとEX-ICなどで通れないことは,公式サイトでは,すぐに読み取れません。

これでは,現場ではじめてわかる人も多そうです。

読み進めると,エクスプレス予約のサイトでは,「よくある質問」に長い解説があって,調べればわかる状態。

東京駅で、東海道・山陽新幹線はEX-ICサービスを利用し、東北などの各新幹線と乗り継ぐには?|エクスプレス予約

Suicaでは,Suica FREX定期券などの注意のかなり下の「利用条件」に,写真の乗り換え改札を通れないことの説明があります。

Suica FREX定期券・Suica FREXパル定期券での利用|JR東日本

この乗り換え改札は,東京駅の構内図に記されています。また,紙のきっぷで通れた情報で,この乗り換え改札をあてにしている人も多そう。それで,EX-ICやSuicaの利用でタイトな乗り換えを組んでしまうと,現場で大慌てが必至。

ICカードの利用を増やそうとするなら,EX-ICやSuicaなどでは,東京駅の新幹線同士の乗り換え改札が通れないことの注意が必要でしょう。

東京駅にあるJR東日本とJR東海の壁

新幹線の会社境界が,東京駅だけ厳然としているのは,直通列車がないからです。しかし,技術的に不可能なのではありません*12。実は,東北・上越新幹線建設時から東海道新幹線との直通構想はあって,後でJR東海が拒絶に転じたことが知られています。

記事のように,現在の東海道新幹線の14・15番線ホームは,直通を前提に東北・上越新幹線共用として建設されていたもの。しかも,新設する側の東北新幹線の建設費によってです。そのホームを上野方向に撮影したのが下の写真。

f:id:KQX:20170620110237j:plain

左のホームが東北・上越・北陸新幹線の22・23番線,フェンスの向こうが東海道新幹線の14・15番線です。東海道では14・15番線だけ,JR東海の施設の丸の内側に入り,東北・上越・北陸新幹線の線路と接するようにカーブして,中途半端に延びています。しかし,終端は素朴に砂利の車止めです。

フェンスの手前はJR東日本で,向こうはJR東海ですが,車両が両方に乗り入れる会社がただ一つあります。それがJR西日本です。ICカードのシステムと同じく,東海道では東海に,北陸では東日本に合わせる立場で,東京駅までやってきます。

東北・上越新幹線用がJR東海の資産となる結末

フェンス奥のホームは,計画では,東海道と東北・上越とを直通できる共用だったもの。その直通構想の断念で,当時はホームが逼迫していた東海道新幹線専用に転化。その時代の両新幹線は国有財産で,経営は国鉄です。その中でのホームの再配分なので,おかしなこととはいえません。

しかし,その後,国鉄は分割民営化され,東海道新幹線部分はJR東海という株式会社の資産となってしまいました。国税で東北・上越用に建設されたものが,JR東海の資産となっている,知られざる経緯です。そして,直通構想を後で蹴った方が,その資産を確保できていることも,注目点でしょう。

東北・上越・北陸が成長して,現在は東海道よりタイト

そして現在,東北・上越・北陸で毎時15本の発車を2面4線でさばくのに対して,東海道は毎時14本の発車を3面6線でさばくダイヤ。東京駅の新幹線ホームは,今や,東海道より東北・上越・北陸の方がタイトです。

それなのに,過去の経緯で,当初計画では両新幹線共用だった14・15番線ホームが,JR東海で東海道用になっているという,皮肉な現状。同じ企業の資産ならば,再配分の可能性もありますが,今は完全に別の民間企業の資産なので,それはありえません。

直通拒絶によるホーム不足の波及:玉突きで中央線が上へ

日経の記事では触れてありませんが,東北・上越新幹線で,当初計画ではあった東海道との共用ホームが使えなかったことは,無関係な別路線の乗客に,毎日影響を及ぼしています。

ホームを別に1つ増設せざるをえなくなった東北・上越新幹線では,JR東海の所有で寸分も譲らない八重洲側への拡張は不可能で,建設は丸の内方向の在来線ホーム側へ。玉突きで,ホームが丸の内側へ1つずつずれ,丸の内側の赤煉瓦の駅舎すぐ横の中央線が,結局上階に押し上げられました。

東京駅の高架では,中央線だけエスカレーターが長く,アクセスが面倒です。それは,ホーム不足の玉突きの最後の行き場が,上空しかなかったから。発端は,八重洲側をおさえるJR東海の拒絶なのです。

京都・新大阪の新幹線乗り換え改札はどうなるか

新幹線同士の乗り換え改札が,「現在は」東京駅だけという,冒頭の話。現在と断ったのは,将来はあと1駅か2駅,作られる可能性があるからです。それは,北陸新幹線が京都・新大阪へ延伸したときに,両駅で東海道・山陽と北陸新幹線を乗り換える改札です。

東京駅で北と南逆方向へ出発した両新幹線は,再び京都で出会います。たとえば,上の写真では,9時20分に,のぞみ号新大阪行とかがやき号金沢行が,逆方向に同時出発しています。このかがやき号は,北陸新幹線新大阪延伸後は(愛称は不明ですが)そのまま金沢経由新大阪行になる可能性が高いです*13

それで,京都・新大阪駅では,東京駅の乗り換え改札と同じ問題が浮上します。とくに,新大阪駅では,JR西日本の区間が,山陽新幹線から北陸新幹線へ連続し,自社の判断で,割引きっぷが設定できる範囲が拡大します。

山陽・北陸直通構想も:博多・広島―京都もJR西日本だけで運行可に

この点で,新大阪駅で山陽新幹線のホームを増設し,北陸新幹線と直通させる構想が浮上しています。東京駅の新幹線直通構想が途絶えたのは,両新幹線が,JR東日本と東海という別会社になったからですが,今度は山陽・北陸ともJR西日本です。

関西から高崎まで,東海道より北陸経由が速く,安くなる

実は,北陸新幹線の新大阪開業時には,新大阪・長野が2時間20分台,新大阪・高崎で2時間50分台。また,長野・京都が2時間10分台,高崎・京都が2時間40分台です。関西から長野はもちろん,高崎までは,現在の東京経由よりも北陸経由が速くなります。これが,北陸新幹線の新大阪への延伸で,現在よりも需要が拡大する根拠です。

この先の需要も大きく,新神戸や姫路などと北関東間の乗客が,東海道と北陸にどう分かれるかが,北陸新幹線の費用対便益を左右するところ。実は,どちら回りも乗り換え1回で,高崎までなら距離と時間そして料金も,互角なのです。その選択には,ダイヤと共に,新大阪駅での山陽・北陸新幹線の乗り換えの利便性が鍵です。

新神戸・新大阪・京都―大宮,北陸経由なら乗り換えなしに

さらに,上の直通が実現すれば,北陸経由なら山陽・関西―北陸・北関東が乗り換えなし。山陽から京都・福井・金沢・富山とJR西日本だけで運行できる区間が長くなり,弾力的な割引も期待できます。その時点で,山陽と北陸の自動改札には,両対応のものが必要になります。

*1:プラスEXは,割引はEX-ICと同額ですが,乗車によるポイントを貯めると,グリーン車にアップグレードできる,グリーンプログラムがありません。

*2:スマートEXは,割引率が小さく,グリーンプログラムもありません。

*3:スーパーモバトクは,前日までの発売で,変更が不可です。

*4:ただし,専用クレカを作るエクスプレスカード会員とは違って,プラスEX会員は乗車ポイントをためるとグリーン車に乗れるグリーン・プログラムの対象外です。

*5:ただし,モバイルSuicaでエクスプレス予約を利用する場合の決済のクレカには,制限があります。使えるカードは,JR東海のエクスプレスカード,プラスEX会員の特約がある国内発行のおもなカード,さらにビューカードです。JR西日本の,J-WESTカード・エクスプレスは,利用できません。

*6:エクスプレス予約とスマートEXを東京―新大阪の片道・通常期で比較すると,エクスプレス予約のEX-ICでは13370円,スマートEXでは14250円です。往復で差は1760円となり,エクスプレス予約の年会費1080円を払っても680円安く済みます。

*7:Suica発行枚数約6398万枚に対し,モバイルSuica会員数は約444万人です。2017年3月期決算説明会資料,JR東日本,36ページ。モバイルSuicaを特急券として使えるクレカ登録がされているのは,このうちさらに一部です。

*8:現在の利用区間でも,新幹線の自動改札での最大の引き落とし額は5150円となり,不注意による残高不足で自動改札が閉まる例が,多発しそうです。利用区間を延長すると,さらに高額のチャージ額が必要で,自動改札の支障が増えないか,長期間の実証実験が必要でしょう。

*9:スマートEXでは,決済に用いるクレジットカードを登録させ,指定席の予約時に決済することで,予約の取消やノーショー時の課金問題を解決しています。
 ほかに考えられる手法としては,未払いの払戻手数料やノーショー時の特急券相当額などを,次回乗車時にあわせて引き落とし,残高不足ならブロックすることなどです。しかし,後日の改札タッチ時に,未精算分を一括課金する手法では,そのSuicaを捨てて,新しくSuicaを購入されると対抗できないので,本質的な解決は難しいでしょう。

*10:この計算は面倒なので,JR東海と西日本では,EX-IC運賃ナビというツールを用意しています。これを使うと,鎌倉―新横浜―京都・大阪や千葉―東京―大阪あたりから,EX-ICの割引を,紙の乗車券とe特急券の方が逆転して,紙の方が安くなっていくことがわかります。
 同じ問題は,新幹線駅で運賃計算が分断される,モバイルSuica特急券やタッチでGo!新幹線,えきねっとトクだ値などでも起きているのですが,今のところ,JR東日本にこういうツールはありません。

*11:会社ごとの割引きっぷの体系の違いで,意外なきっぷが最安という場合があります。北陸新幹線の例だと,東京→軽井沢などのJR東日本で完結する区間でも,速いタイプの列車・はくたかに乗るなら,JR西日本のe5489で購入できるeきっぷの方が安くなる現象を別記事にしています。

*12:当初,直通に最大の障害だったのは,東海道が60Hz,東北・上越が50Hzと,電源の特性が異なる問題でした。しかし,その後の北陸では50Hzと60Hz区間が混在し,両対応の車両が開発されて,解決済み。残る問題は,信号などの列車運行のシステムだけで,要件を満たすハードが存在しないからではありません。結局は,費用対効果の問題だけです。
 なお,直通需要として仙台―名古屋・新大阪などを考えるのは過小評価で,絶大な需要があるのは,大宮―京都・新大阪や新横浜―仙台など,東京を少し越えるものです。
 しかし,その潜在需要に対して,(三島―)新横浜―東京―大宮は線路容量が限界で,増発の余地はありません。それで,寝た子を起こすなという状態になっているだけです。

*13:北陸新幹線は,長野駅で乗務員がJR東日本から西日本へ交代します。その先,長野から金沢までは現在約1時間。新大阪まで完成すると,長野・新大阪間が約2時間20分と,驚きの速さです。
 そこで,列車を金沢や富山終着や始発として,東京方面と新大阪方面に分断すると,JR西日本側では,1時間程度の細切れ乗務と,清掃など折返しのロスタイムが多発して,非効率です。効率的なのは,金沢や富山で折り返さず,長野・新大阪間2時間20分を通し乗務とし,ロスタイムを最小化する運用。すると,少なくとも速達タイプの列車は,金沢を越して,東京発金沢経由新大阪行などとなる可能性が高いでしょう。
 また,そうすることで,東京↔北陸と北陸↔関西の乗客に,直通する1列車で対応でき,全区間の乗車率を高められます。たとえば,富山で東京から来た客が降りた席に,関西へ向かう客が早い段階(富山・金沢・福井の順)で乗るほど,座席の効率は高まります。それは,金沢や富山折返しでは不可能です。
 北陸新幹線は両端が大都市圏で,旅客需要は末端に向かって単調減少でなく,中間がフラットに近いU字型です。それが,他の整備新幹線にない特長で,全線開業と直通運転で,このメリットが活かされます。