「ひがし茶屋街,酒または昼酒」という検索がぽつぽつあって,気になっていました。気持ちがよくわかるからです。
お茶屋さんは,もともとお茶ではなくお酒が酌み交わされた空間。非日常のくつろぎには,昼でもお酒が欲しくなるところです。さらに,旅行では街中を歩き疲れるせいで,お茶よりビールなどが飲みたくなってきます。
お茶屋が改まった,地元向けの夜営業の店は,主計町(かずえまち)まで含めて比較的安い店も多いです。しかし,昼にお酒を飲めるところは,地元客だけでは成り立たないので,限られます。
そこで,昼の観光がてら,ビールかワインか日本酒を飲めるところで,自分で写真が撮れて奨められるところを4店。いずれも,メディアでよく映るこの通りの並びと奥です。
1.十月亭(じゅうがつや)
繁華街片町の老舗料亭・銭屋が茶屋街で営む別店。
- 午後2時までランチ(お弁当やミニ懐石など)にお酒。
- 午後2時から4時まで,お酒やお茶と甘味だけの利用が可。
- 日本酒は地酒の吟醸酒各種,ほかにビール,ワイン,焼酎など。
- 入口で靴を脱ぐ形式。
- 大きなコの字型掘りごたつ式カウンター席で,一部に個室も。
- カウンターの向こうが坪庭で,おひとり様でも寛げる。
詳細は過去記事に書きましたので,手持ちの写真だけを。
上生菓子やおつまみなどは,早い時間になくなる場合もあるようです。こうして,日本酒とお抹茶,和菓子が揃うのが,日本の料亭仕様ですね。
2.ワインバー照葉(てりは)
ひがし茶屋街のメインストリート突き当たりの右角という好立地にあるワインバー。ソムリエと利き酒師の資格をもつ元芸妓さんで,現在はお茶屋の女将さんが,別店として営まれるお店。ですが,現在は一店主として店に出ていらっしゃり,地元客にウェイトを置いた気さくなお店です。
- ランチ営業時間からビールやワインだけでなく,コーヒーやパフェも提供。
- ランチタイム終了時から夕方まではクローズ。
- 夕方からはバーに変わって,日本酒も提供。メニューにはないが,頼むと昼でも日本酒が飲める。
- 入口で靴を脱ぐ形式。
- 直線状の掘りごたつ式カウンター席で,一部がグループ用向かい合わせ席。
- 夜は別に個室もあり。
暖簾がワインレッドなのがその目印。お昼に,この時期のはたはたを肴に。
昼メニューには,ランチセットやワインのほか,抹茶アイスや抹茶パフェも。
3.福光屋ひがし
金沢でもっとも大きな酒蔵が,ひがし茶屋街に2015年に出店した直営店。
- 手前が販売スペース,奥が丸いスツールが並ぶバーカウンター。
- 販売も兼ねるため,フルサービスですが前払い方式。
- 自社醸造の日本酒のほか,ちょっと変わったソフトドリンクも。
- スイーツとして,酒粕を使ったソフトクリームなどが特徴的。
- 日本酒メーカーの矜持として,ビール・ワインなどはない。
詳細は過去記事を。
酒かすみるくそふとも。
外が見える出格子側が販売スペースで,奥に直線状のバーカウンター。
ソフトドリンクもいくつか。
甘酒いちごフロートをいただきながらの,外の眺め。
お酒を飲まずに,これだけでも可です。
4.ひがしやま酒楽
メインストリートの突き当たりを左に折れてすぐのところ。茶屋街の広見角の金澤東山しつらえと同じ金箔メーカー・箔一が,酒販店井なみ屋とコラボしてできたお店。カウンターで有料試飲のお酒とおつまみを求め,2階で座り飲みもできる,ファストフード的なスタイル。
- 日本酒の有料試飲が500円からで,約80銘柄。
- 販売は店頭在庫で100銘柄超。
- 試飲・販売とも1階のカウンターで前払い。
- 1階の立ち飲みテーブルで飲むか,
- 1階で靴を脱いで階段を上がり2階のお座敷かテーブル席で,座り飲み。
- 午前9時から午後5時までと,旅行客向けの営業時間。
試飲はワイングラスにこの量で500円から。
カウンターからはセルフサービスで,立ち飲みテーブルへ。
いくらでも飲めそうな手取川の純米大吟醸吉田蔵。メニューには,このように銘柄がぎっしりと。
このグラスや乾き物主体のおつまみを,2階に持ち込んで飲むこともできます。また,お酒をボトルで買った場合は,グラスをカウンターで貸してくれます。現在は,試飲後にそのお酒をボトルで買うと2%引。
1階で靴を脱いで2階へ上がると,金沢のお茶屋や料亭に独特の朱色(古くは紅殻)の内壁が。
一部にシンプルなテーブル席も。
2階は完全にセルフなので,ファストフード的な飲み空間。グラスとおつまみをここまで運んだり,追加注文は下のレジに戻ったりと手間があります。少し試飲して,2階の混み具合を見てから,本格的に飲むか決めるのがよいかと。