北陸新幹線で行く,はじめての金沢

お庭,お菓子,お魚,お酒が揃う城下町をまわるため,金沢出身・東京在住者が往復しながらヒントを書いていきます。

にし茶屋街に出店したスペインのショコラトリー,昼からワインも飲めるカカオサンパカ

諸江屋とかわむらが昼のメインだったにしに,新店

新しいショコラトリーとカフェが,2014年11月に「にし茶屋街」にできたそうで,行ってみました。

スペイン王室御用達というカカオサンパカ金沢店で,東京・丸の内,南青山,大阪・梅田につづく国内4店目とのこと。チョコレートでは地元の専門店が野々市(その支店が香林坊)にあって,そのうち書こうと思っていたところ,輸入ブランドの進出で,さて茶屋街ではどうなるのかと。

裏通りまで次第に修景され,多様なお店の集積が続くひがし茶屋街に比べると,にし茶屋街は短い直線状の街路に新旧の建物が混在する風景。昼の店では,らくがんなど和菓子の諸江屋(和カフェあり)と甘納豆のかわむら(イートインあり),それにお茶屋由来のわずかな飲食店に限られる地域です。

とはいえ,今はNHK43ですか?にし,ひがし,かずえまち合わせて43人の金沢の芸妓さんの中で,もっとも人数が多いのは,実はにし。室生犀星が金沢に芥川龍之介を招いたとき,料亭・つば甚でもてなして,にしの芸妓さんを呼んだ歴史は,今なおということでしょうか。

外観も,ひがしほど重くなく,テイクアウトも可

にしは,ひがしや主計町と違って,国指定の重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)ではないので,伝統的な景観にこだわらず,わりと明るめの店構え。出格子や上階の窓も現代風です。

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写真のような暖簾に,テイクアウトできるカカオ・ソフトクリームの案内。食べ歩きも,ひがしでは禁止されていて,委託された街頭の警備員の方が注意するほどですが,にしにはそうしたルールはなく自由です。

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各種チョコレートの販売カウンターと,アイスクリームなどのテイクアウトは,1階の靴を脱がないスペースで。ただし,ショーケースなどのディスプレイは撮影禁止です。

カフェは1階で靴を脱いで2階へ。町家建築らしく,玄関先から広い幅の階段を2階へ上がります。

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奨められている予約をしておいたので,奥の席から割り当てられたようです。

さてメニューを。

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ショコラトリーのはずが,昼でもスペインワインがいくつか。ボトルもあるとは,訪れるまで知りませんでした。

作戦変更:昼でもワインバーになるカフェ

それならと,ワインの飲みに変更。同時に,パフェなどのカフェメニューも試したいところです。個人的に甘い物でもお酒は飲めますし,渋みのある赤ならなおさらと。

サンパカ・パフェ・ショコラとカステロ・デ・リリア・レゼルヴァ。

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パフェの濃厚な甘味と香りに,ワインの酸味と渋みが合いますね。もともと,チョコレートと赤ワインは合いますが,それに生クリームが合わさっても,いけます。むしろクリームのまったり感をワインが和らげるマッチング。赤ワインは肉の動物性脂肪をさっぱりさせてくれるのですから,乳脂肪と合うのも不思議ではありません。

席はすべてお座敷。そこに,チョコレートパフェと赤ワイン。説明がなければ,国籍も都市も不明です。

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ひがしでも,和ではない多様なジャンルのお店が増えていますが,この自由度は,にしならではかな。

抹茶のガトーとスパークリング・ワイン

こちらは,ホワイト・チョコレートを抹茶風味にして金箔をあしらったケーキで,名前がなぜかKIYOTO。それに,スパークリング・ワインのカヴァ・ピュピトレ・ブリュット。

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抹茶のガトーは,とってつけた色だけ緑のものも多いですが,こちらはホワイト・チョコレートがベースなので,抹茶の風味も活きています。上のパフェとは逆に,渋めのお菓子には,白かスパークリングでいけます。

もちろん,ワインが複数あるからには,甘くないおつまみもちゃんとありますので,ご安心を。

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なお,スイーツとワインでおなかいっぱいで,ガレットなどのフードメニューは試せませんでした。またの機会があれば,写真を加えて追記します。

昼から飲める,にし茶屋街の隠れワインバーとしても

ということで,外観はスイーツの店に見えて,昼からワインをボトルでも空けられる,にし茶屋街の隠れワインバー・カカオサンパカ。とくに,茶屋街&酒の検索ワードでこのブログにいらっしゃる方には,にしで昼からワインを空けようと思うなら,おもしろいお店です。

余談:和カフェでもワインなどの酒を置けば頼む客はいますよ

かれこれ1年前でしょうか,北陸新幹線開通前の平穏な和菓子店・森八のある和カフェで,旅行で首都圏から訪れたらしいマダム達が,ワインはないのか的な話をしていたのがずっと記憶に残っています。需要があるのに,もったいないなと。

観光なら,昼でも飲みたい人は,かなりいます。また出張でも,前泊でその日はもう仕事がない人も,いくらかいます。街歩きでちょっと寛ぎたい,そこで居酒屋やバルに行くほどでもなければ,カフェでワインなのでしょう。

ワインは,ビールや日本酒と比べても在庫リスクが小さく,置いておけばいつかは出るお酒。お菓子にワインは合わないというのも思い込みで,甘いお菓子に渋めのお酒,渋めのお菓子に甘めのお酒を選べば,うまく合わせられます。