北陸新幹線で行く,はじめての金沢

お庭,お菓子,お魚,お酒が揃う城下町をまわるため,金沢出身・東京在住者が往復しながらヒントを書いていきます。

金沢のシティホテル,どこに泊まるか

ネット予約サイトでは全体像がわかりにくい金沢市内のホテルを,シティホテルの価格の高い方から順に挙げてみます。この年齢になると,下記のいずれも,どこかで利用経験ありでして,思いつくままコメントを。

なお,シティホテルの範囲として,(昔はバーがあることが目安だったはずですが)ホテル内に,夜にコース料理が食べられるレストランが複数,できればバーもあることとしました。

ホテル日航金沢

  • シティホテルでは市内で最も新しい建築(といっても20年目)で,現在も北陸3県で最高層の30階建。
  • 内装・バスルームとも,シティホテルでもっとも広めで機能的。
  • レストランが(バーとロビーラウンジを含め)8つと市内のホテルでもっとも充実。30階のフレンチ,29階のバーや鉄板焼は,市内で最も眺めがよい。
  • 日本料理の弁慶では,鮨カウンターを石川県屈指の名店・太平寿しに委託していて,庭を眺めながら食べられる。
  • 金沢駅東口から地下道経由で接続していて,雨・雪の日も安心。晴れていれば,東口正面,右側の横断歩道を渡って右折の方が気持ちがよい。

ANAクラウンプラザホテル金沢(旧・金沢全日空ホテル)

  • 日航の一つ前に開業したシティホテルで,その対面に建つ。
  • 高層で直線状の日航とは対照的に,曲面の外面が目をひく。
  • 客室フロアがゆるい扇型の形状のため,部屋のタイプにより大きさや形状が様々で,価格はそれ相応。
  • レストランは和・洋・中華に鉄板焼も含め5つと充実。ただし,お鮨はない。
  • 新幹線開業前の3月1日に,19階にバーを新設。
  • 金沢駅東口から右手タクシー乗り場の方に進むと,ずっと屋根のある通路を通って入り口までたどり着く。ただし,車道を横断する位置の屋根が高い箇所のため、傘はあった方がよい。

駅東口タクシー乗り場からこの方向で写真をとると,左から日航,全日空。右端は後で書くことになる,石川県立音楽堂です。

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金沢東急ホテル


  • 繁華街・香林坊にある唯一のシティホテル。新幹線開業に向けた駅前開発までは、この前あたりが金沢市というか北陸3県で地価が最も高い地点だった。
  • 金沢駅からバスは頻発し,香林坊(アトリオ前)下車,バス停向かい。
  • 徒歩圏に有力観光スポットが複数。21世紀美術館まで徒歩7分,兼六園も真弓坂口まで徒歩8分,長町武家屋敷徒歩5分程度と,シティホテルではこちらだけの利便性。
  • 対面の地元百貨店・大和とは地下道で直結し,そのデパ地下でおみやげや食べ物などの買い物ができる。
  • 隠れた売りは,様々なジャンルの飲食店が集中する香林坊・片町が徒歩圏のため,何時まで飲んでも,帰りの心配がないこと。その分,レストランは和洋1つずつの2つに,バー・ラウンジとミニマル。
  • 最上階は東急の会員制レジデンシャル・スイート(キッチン付90㎡),ビッグウィーク金沢として営業。通常は非会員の利用ができないものの,閑散期で会員利用がない日程だけ,じゃらんから予約できることがある。

金沢都ホテル


  • よく考えてみれば,県外の大手資本(近鉄)が金沢ではじめて開業したシティホテル。
  • 金沢駅東口正面で,東口地下道を直進するとそのままホテル地下1階,駅の東口からフロントが一番近いシティホテルなのは確か。
  • すでに開業50年目で,ビル自体は駅前の角地にして7階建と,時代を感じさせる作り。
  • シングルが手狭な分,リニューアルで広く改められた部屋が,割安な料金設定でネットに出されている利点も。
  • レストランは和洋1つずつの2つの他,バー・ラウンジを兼ねる店のみ。
  • 都ホテルグループとはいえ、そこは地方都市のホテルで,旗艦である京都の都ホテルを想像されない方が満足できる。

金沢ニューグランドホテル


  • 地元百貨店・大和の子会社で、シティホテルでは唯一の純粋地元資本。
  • 似た名前の横浜の老舗ホテルとは無関係。
  • 開業43年目を迎え,外観には時代を感じるつくり。
  • その分,隣接する新館アネックスなどに,やや広くて異なる雰囲気の部屋も揃えている。
  • 尾山神社向かいで,長町武家屋敷まで徒歩7分程度,近江町市場まで徒歩8分程度が歩ける範囲。繁華街の香林坊・片町や21世紀美術館,兼六園へはバスに乗りたくなるところ。
  • レストランは和洋中華に鮨を含む5カ所の他にバーと,アネックスにブッフェがある。

金沢国際ホテル

  • 金沢で唯一の郊外型シティホテルで,南部の住宅地高台に位置していて,平野部の遠景や夜景を眺める景観。
  • ただし,金沢駅や市内中心部からのバスは1時間に数本程度で,20分以上かかる立地。タクシーだと金沢駅から小型で3000円は見ておく必要が。最寄りのコンビニも結構歩くため,自家用車かレンタカー利用者の方に選ばれる。
  • アクセスは少し改善されていて,金沢駅金沢港口からの宿泊者向け無料バスが,1日数本ながら運行を開始。
  • むしろ,平置駐車場250台が金沢のシティホテルでは唯一で,深夜・早朝の車の出し入れも気兼ねなく,機械式に入らない車種でも困らない。
  • 郊外立地のため,部屋は広めのツインからで,そのシングルユースも競合ホテルのシングルルーム並みの価格設定で,広さで評価したコスパはよい。
  • オーナーチェンジが繰り返されてきたこと。地元産婦人科病院→佐川急便→西武セゾン系の西洋環境開発→地元老舗料亭旅館の浅田屋→浜松のホテル呉竹荘と,現在で5代目。それでも別の用途にならず,建物もシティホテルの経営も維持されているのは,一定の収益力があるからでも。
  • レストランも,浅田屋経営の時代を継承して,和・洋・ビュッフェに加え別棟に鉄板焼とパティスリーとまずまず充実。
  • 夏期限定ながら,市内のホテルで唯一プール営業があるのも特徴。

以上,宿泊と食事の個人的な経験では,大事なときほどホテル日航金沢で間違いなく,当然価格はもっとも高い設定。欠点は,駅前の他のホテル同様に,繁華街ではなく,徒歩圏に観光スポットがないことくらい。そこから予算に見合うように,その宿泊に不要なメリットを外していけば,次第に適したホテルに絞られます。

まず,夜にホテル内でレストランやバーを使うつもりがないのなら,レストランは最小限の構成でもよいので,繁華街の東急ホテルが,観光でも,買い物でももっとも便利。

車があるなら,スペース当たりの割安感で,郊外の国際ホテルがもっとも有利。また、都ホテルは古めの設計のため,もとの2部屋を1部屋に改装したタイプの広いお部屋をかなりディスカウントしていることがあり,使い方によっては満足できます。

なお,金沢駅前の都ホテル,ANAクラウンプラザ,ホテル日航は相互に徒歩数分の範囲で,地下道をうまく使えば雨や雪の時も濡れずに移動できます。この周辺,割安な部屋に泊まって,他のホテルのレストランを使うこともありでしょう。

次に来るべきホテル

上のホテル群の次に来るのは,複数のジャンルのレストランがあり,ビジネスホテルの域は超えているホテル。そのうちまとめて書きますが,ここでそれぞれ簡単に。

  • ANAホリディ・イン金沢スカイ(旧・金沢スカイホテル)

    インの名称ながら,レストランは和洋を統合したものと中華の2つをもつ,18階建て高層ホテル。金沢駅からバス頻発の武蔵ヶ辻バス停すぐで,近江町市場向かい。名鉄グループの百貨店めいてつエムザが低層階にあり,エレベータで下に降りるだけ。おみやげやデパ地下での買い物には便利。
  • ホテル金沢

    レストランはカジュアルなスタイルの和洋とラウンジがあって,金沢駅東口隣接の好立地。駅東口からは,横断歩道などでわずかに切れる箇所がある以外,屋根が続いていて,雨・雪の影響がほとんどない。2008年新築は,駅徒歩圏の同規模のホテルでは最も新しい。
  • KKRホテル金沢

    国家公務員共済組合の宿泊施設だが,ネットで一般の予約ができる。レストランを和洋1つずつもち,婚礼も可能な施設。繁華街の大通りから金沢城側に入った立地で,最寄りバス停の尾張町からやや歩く。その分,金沢城公園大手門徒歩1分のほか,近江町市場徒歩圏は好都合。98年の新築も,バンケットのあるホテルでは市内で新しい方。
  • ホテルトラスティ金沢香林坊

    レストランが,カフェを兼ねたものと鉄板焼だけの構成とミニマル。立地が繁華街・香林坊で,百貨店・大和の隣りと買い物に便利。東急ホテルと同様に,兼六園・金沢城や21世紀美術館が徒歩圏。2013年新築開業は,この規模の市内のホテルで最も新しい。