北陸新幹線で行く,はじめての金沢

お庭,お菓子,お魚,お酒が揃う城下町をまわるため,金沢出身・東京在住者が往復しながらヒントを書いていきます。

東京→金沢日帰り:2人以上なら往復23200円のツアーが,前日18時まで予約,券売機で受取可に

地味ですが,北陸新幹線の旅行を節約できる進展が,2017年6月29日にありました。

JR東日本の北陸向けツアーが指定席券売機で受取可に

新幹線や飛行機とホテルをまとめて販売するパッケージツアーは,JR,航空会社,旅行会社で多くの設定があります。ただし,安さのかわりに,購入期限が早かったり,事前の受取が店頭か宅配だったりと,使いにくさもありました。

その点,JR東日本では,えきねっとと駅の指定席券売機を使って,購入しやすい仕組みをつくっています:

  • 前日18時までに,えきねっとで予約,クレジットカードで購入
  • 当日発車前までに,JR東日本の駅の指定席券売機で受取

旅行会社にない強み:駅の指定席券売機での受取り

前日に思い立った旅行まで購入でき,窓口に並ぶ必要がありません。出発日の改札入場前に,指定席券売機でチケットを受取ればよく,15分ほど余裕をもって駅に行けば十分です*1。事前に受け取るなら,5:30から23:00までの間で,駅ごとの指定席券売機の稼働時間中にできます*2

この便利なネット購入と受取方式は,北陸ツアーでは以前はできなかったのですが,6月29日のお知らせにあるように,それ以降可能になりました。

購入に必要なのは,えきねっとのアカウントとクレカ。それ以外の支払や,承諾書のいる未成年の購入の場合は,別の手続きが必要で,購入期限が前倒しになります。

ホテル付きは1人から設定

びゅうツアーも,他の旅行会社のツアー同様に,往復新幹線+宿泊の割引は,1人から設定があります。新幹線の正規運賃・料金プラスちょっとで,1泊できます。その際,全国チェーンではないホテルの方が,他の販売チャネルが少ないだけ,びゅうツアー向けに大幅な割引を提供しています。当然ながら,安い分,古いホテルもあるので,現況は口コミサイトなどを参考に。

なお,表示される価格だけで見ると,新幹線開業でシェアが落ちた羽田・小松便を使う航空会社や旅行会社のパッケージツアーの方が,安い傾向です。新幹線ツアーと航空機ツアーの比較では,金沢駅・小松空港間のバスが片道1130円であることに要注意です。

2人以上なら日帰りツアーも

びゅうツアーはJR東日本系列のため,ホテルの付かない日帰りも設定されています。冠婚葬祭やライブなどでは,新幹線で日帰りなら行けるのに,という場合も多く,その需要にも応えられます。ただし,日帰りツアーの場合だけ,2人以上です。

日帰り分には北陸鉄道バスの1日乗車券をセット

各社の日帰りツアーでは,往復の新幹線などとは別に,役立つ何かをセットしています*3。JR東日本の金沢日帰りツアーでは,多くの旅行客が買っている北陸鉄道バスの1日乗車券(500円)が付いています。ひがし茶屋街,兼六園,21世紀美術館など,金沢の主要な観光スポットに行けて,乗り降りが何回でも自由です。

また,1日乗車券で行ける範囲には,本多の森ホール,金沢歌劇座,金沢市文化ホール,北國新聞赤羽ホール,金沢AZ,金沢Eight Hallがあります。そこで,ライブが目的の日帰りでも,無駄なく使えるでしょう。

実際の利用では,JRで発券されたバウチャーを,金沢駅兼六園口バス乗り場後ろのブースで,1日乗車券と引換ることになります。1日乗車券の詳しい使い途は,過去記事へ。

正規運賃より約5千円,トクだ値より約2千円安い

首都圏の駅の券売機で受け取れるようになった,金沢日帰りツアーを,各種割引きっぷと比較してみます。

東京・金沢の正規運賃と割引きっぷ・日帰りツアーの比較(通常期:円)
割引きっぷ・ツアー 対象 合計 特急券 乗車券
通常の運賃・料金 みどりの窓口
指定席券売機など
14120 6780 7340
えきねっとトクだ値 JR東日本
えきねっと会員
12700 購入は当日午前1時40分まで
(メンテ時は前日23時40分まで)
席数限定
モバイルSuica特急券 JR東日本
モバイルSuica会員
席ごとに端末が必要
13380  
スーパー・モバイルSuica特急券 12030 購入は前日23時40分まで
席数限定・変更不可
eきっぷ JR西日本
J-WESTカード会員
13480 6140 7340
e早特1 12130 購入は前日23時30分まで
席数限定・変更不可
WEB早特1 JR西日本
e5489会員
12700
WEB限定金沢日帰り
シンプル金沢
JR東日本
えきねっと会員
びゅうツアー
(往復)
23200
2人以上が同じ列車・区間を利用
購入は前日18時まで
席数限定・変更不可
限定列車版は土日祝など除外日あり
WEB限定金沢日帰り
シンプル金沢/限定列車
(往復)
21900

並べると安さがわかります。正規運賃の往復からは,通常で5040円引,限定列車版で6340円引。よく使われる割引きっぷ・えきねっとトクだ値からでも,通常で2200円引,限定列車版で3500円引で,ランチとおみやげ代ぐらい浮かせられます。

なお,一人で日帰りとか,帰りは飛行機や高速バスとか,翌日帰るがホテルは不要といった場合には,上の表にある片道ごとの割引きっぷしか使えません。詳しくは,上の表の各割引きっぷを比較した別記事へ。

申込みは,えきねっとのJR東日本国内ツアーから

申込みは,えきねっとのトップページから,JR東日本国内ツアーのメニューボタンをクリックして,以下の選択肢を入力します。

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コース内容は,往復JR+宿泊,宿泊のみ,日帰りと分かれていて,希望のものを選びます。日帰りでは,2人以上でないと,検索結果が0件になります。宿泊付きなら,1人から大丈夫で,単身の出張でも利用可能です。

限定列車版は土日祝と帰省期間等を除外

もっとも安い限定列車版は,往復21900円。航空機の事前購入割引の多くも下回る安さです。ただし,土曜・日曜・祝日と帰省期間・大型連休が除外されていて,結婚式やライブイベントなどには使いにくい感じ。

限定列車版では,混雑する東京朝7~9時台発などを外していて,早朝ならかがやきも使えます。早起きすると,以下のような行程が組めます。

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帰りは,早めの夕食で間に合う,金沢駅19時台発から最終まで,かがやきも含まれていて,夜を食べたり,飲み尽くしてから帰るのでも,無問題です。

なお,どの日なら,どの範囲の列車に限定されるかは,公表されていません。それで,まず安い限定列車版で,かがやき→はくたかの順に検索して,残席のある行程が無理なら,列車を限定しないバージョンに移るのがおすすめです。

列車限定でないものは1300円高いが,除外日なし

列車を限定しないものは,往復で1300円高くなるものの,現状で除外日はありません。以下のように,東京駅を8時台に出て,所用や観光を済ませ,夕食まで食べて帰る,自然なスケジュールが組めます。それでも,金沢滞在8時間は確保できます。

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片道ごとプラス3800円でグリーン車も選択可

また,限定列車版でない方では,片道当たりプラス3800円で,グリーン車にアップグレードできます。日帰りの帰りだけグリーンにしても,正規の乗車券・特急券よりはまだ1240円安い価格。次の日が仕事の場合の熟睡に役立ちそうです。

JR東日本の北陸向けツアー販売の制約が改善

JR東日本は,以前から,びゅうツアーをえきねっとと指定席券売機を使って販売しています。なぜ今頃になって,北陸新幹線を使うツアーが,ようやくネット販売開始なのでしょうか。

北陸はJR西日本エリアで,JR東日本が首都圏からの「びゅうツアー」を設定する際,他にない制約がありました。東京から金沢までの新幹線はJR西日本区間を含んでしまい,割引と販売の設定などが,JR東日本だけの判断ではできないからです。それで,JR東日本の「びゅうツアー」では,自社の新幹線で出発できる目的地では北陸向けだけ,ネット予約と指定席券売機での受取が不可能でした*4

それが,新幹線開業後2年を過ぎた,2017年6月29日付のえきねっとのお知らせではじめて,北陸向けのびゅうツアーも,ネット予約と券売機受取が可能になりました。これで,パッケージツアーでも,JR東日本で完結する目的地と,ほぼ同じ販売体制。残る例外は,列車とホテル・旅館を1泊ごと自由に組み合わせられるダイナミックレールパックです。

ダイナミックパッケージは北陸向けの設定なし

びゅうツアー全体では,新幹線と好きなホテル・旅館を任意に組み合わせられる,ダイナミックレールパックも用意されています。上に載せたサイトメニューでは,右側のボタンです。しかし,現在でも,北陸向けの設定がありません。

こちらも可能になると,たとえば,1泊金沢,1泊和倉温泉や山中温泉といった使い方ができて,自由度が高まりそうですが,契約上の問題がまだあるのだと察します。

北陸→東京日帰りツアーは券売機受取可のものなし

東京発北陸向けパックツアーがネット販売と券売機受取可能になったのなら,逆方向の,北陸発東京向けツアーも,同じ利便性が期待されるところ。

東京のホテルは周辺よりも特別に高く,買物や各種イベントへの参戦目的では,日帰りの需要も旺盛です。券売機での受取も,JR東日本でできているように,技術的には可能なはずですが,残念なことに現状では設定がありません。

北陸発を設定できるのは,JR西日本とその子会社・日本旅行などです。

JR西日本のみどりの窓口では扱いなし

JR西日本の駅で申し込める日帰りツアーは,現在のところ以下のリンクで検索すると現れる関西↔北陸のものだけ。もし設定されれば,以下で検索できるはず。

金沢駅みどりの窓口対面の日本旅行金沢支店では購入・受取可

子会社の日本旅行では,下のものが用意されていて,金沢駅のみどりの窓口対面にある日本旅行金沢支店で申込と受取ができます。ただし,ネット申込と宅配では,購入期限が1週間前あたりとかなり前倒し。それ以降だと,店頭購入だけです。いずれも,券売機では受け取れません。

東京→金沢日帰りより金沢→東京日帰りが高い?!

そして価格は,早朝などの特定列車限定で,1000円の買物券付きで24900円から。意外かもしれませんが,東京発金沢往復より高い設定です。

この謎も,北陸新幹線の東京・金沢間がJR東日本とJR西日本にまたがることで理解できます。東京・金沢間では,JR東日本区間よりJR西日本区間が短くなります。そのため,自社の判断で割引ける部分は,JR西日本と日本旅行が設定する北陸発よりも,JR東日本が設定する東京発の方が大きいからなのでしょう。

*1:なお,このびゅうツアーでは,乗車券部分の発着は都区内駅ではなく,東京・大宮駅などで設定されています。新幹線乗車駅までJRに乗るのなら,いつものSuicaなどで乗車後,新幹線乗車駅の乗り換え自動改札で,ツアーで発券した乗車券・特急券の投入とSuicaのタッチで精算されます。

*2:駅ごとの指定席券売機の稼働時間は,指定席券売機のある駅検索|JR東日本で調べられます。主要駅なら,ツアーの発券システムが動いている5:30から23:00まで,フル稼働です。

*3:たとえば,JR東海ツアーズのこだま専用の大幅割引きっぷ・ぷらっとこだまでは,駅の売店でのドリンク引換券がセットされています。
 わざわざセット販売にする理由は,日帰りで往復のきっぷだけを割引くと,実質的には鉄道運賃・料金の割引になってしまい,鉄道会社の運賃の届出規制などに触れる可能性があるためです。そこで,他の交通機関やサービスと組みあわせて募集型企画旅行として,全体として割り引く形式をとっています。

*4:なお,首都圏から京都など関西へのツアーは,JR東日本でも設定があるものの,現在でもえきねっとでの購入とJR東日本の駅の指定席券売機での受取ができません。東京から京都・新大阪へ向かう東海道新幹線は,全区間JR東海で,諸制約はもちろん,JR東日本への収益貢献がほとんどありません。そのため,JR東日本側で割り引いたツアーを販売してまで,需要を拡大する誘因が乏しいからです。
 このブログでも,割引きっぷなどの記事でたびたび扱っているように,JR東日本,JR西日本,JR東海が別の企業であることが,各種割引きっぷや旅行商品の販売戦略に大きな影響を与えています。この会社境界のために,大都市圏の販売で,得をしている観光地と,損をしている観光地があるのが実態です。