北陸新幹線で行く,はじめての金沢

お庭,お菓子,お魚,お酒が揃う城下町をまわるため,金沢出身・東京在住者が往復しながらヒントを書いていきます。

JRの東京→金沢ツアー(日帰り・宿泊付)が,前日18時まで予約,当日乗車前に券売機で受取可に

JR東日本のびゅうツアーは券売機で受取れる

新幹線や飛行機とホテルをまとめて割引くパッケージツアーは,JR,航空会社,旅行会社に数多くあります。ただし,ふつうのツアーは購入期限が早く,事前の受取が店頭か宅配と,使いにくさがありました。

その点,JR東日本のびゅうツアーには,えきねっとと駅の指定席券売機を使った,便利な購入方法があります:

  • 前日18時までに,えきねっとで予約,クレジットカードで購入
  • 当日発車前までに,JR東日本の駅の指定席券売機で受取

窓口に並ぶ面倒,受取の不安なし

前日に思い立った旅行まで購入でき,窓口に並ぶ必要がありません。出発日の改札入場前に,指定席券売機でチケットを受取ればよく,15分ほど余裕をもって駅に行けば十分です*1。事前の受取りなら,5:30から23:00までの間で,駅ごとの指定席券売機の稼働時間中にできます*2

前日午後6時まで購入できる条件は,えきねっとの会員でクレジットカードで決済すること。それ以外の支払(コンビニ払など)や,承諾書のいる未成年の場合は,購入期限が前倒しになります。支払と受取方法の詳細は公式ページへ。

ようやく北陸ツアーも対象に

この便利なネット購入と受取方式は,北陸ツアーでは以前はできなかったのですが,6月29日のお知らせにあるように,それ以降可能になりました。 

日帰りでも,正規運賃より3540円安い

JR東日本の駅の券売機で受け取れる金沢ツアーを,各種割引きっぷと比較してみます。ツアーの価格は,2017年10月1日出発分から改定されています。

東京・金沢の各種運賃とJR東日本のツアーの比較(通常期:円)
割引きっぷ・ツアー 対象 合計 特急券 乗車券
通常の運賃・料金 みどりの窓口
指定席券売機など
14120 6780 7340
えきねっとトクだ値 JR東日本
えきねっと会員
12700 購入は当日午前1時40分まで
(メンテ時は前日23時40分まで)
席数限定・当日変更に注意点*3
モバイルSuica特急券 JR東日本
モバイルSuica会員
席ごとに端末が必要
13380  
スーパー・モバイルSuica特急券 12030 購入は前日23時40分まで
席数限定・変更不可
eきっぷ JR西日本
J-WESTカード会員
13480 6140 7340
e早特1 12130 購入は前日23時30分まで
席数限定・変更不可
WEB早特1 JR西日本
e5489会員
12700
金沢日帰り
シンプル金沢
JR東日本
えきねっと会員
びゅうツアー
(往復)
24700
2人以上が同じ列車・区間を利用
購入は前日18時まで・変更不可
北鉄バス1日乗車券(500円)付
限定列車版は土日祝などを除外
上の限定列車タイプ (往復)
23300
シングル1泊 30900~ 購入は前日18時まで・変更不可
最低価格は1,2月の日~金出発など
季節と曜日変動が大
セミダブル1泊(2人) 28400~

宿泊付は1人から,往復+1泊で約3万

新幹線往復+宿泊の割引は,1人から設定があり,出張にも使えます。価格は,セミダブル2人利用なら,1泊込みで新幹線の正規運賃プラス1000円ほどが底値。シングル1人利用で,プラス3000円ほどからです。季節と曜日による価格変動は大きく,表の下限価格は冬の日曜~金曜出発のものです。

ホテルでは,全国チェーンでない方が,他の販売チャネルが少ない分,大幅な割引を提示しています。もちろん,安い分,古いホテルもあるので,現況は口コミサイトなどを参考に。

また,かなり早めの購入で宅配受取でよいなら,多数の旅行会社にツアーがあって,その面倒の分,JR東日本よりも安めです。

新幹線との競争で安くなった羽田・小松便ツアーも

価格だけでみると,新幹線ツアーよりも,それでシェアが落ちたJALかANAの羽田・小松便を使うツアーの方が,安い傾向です。それも,航空会社ブランドのツアーや大手旅行会社以外に穴場があります。

底値では,セミダブル1泊2人利用,冬季の平日といった最安条件で,1人18800円あたりと,新幹線では無理な安さ。旅行会社としては大手でないものの,金沢のホテルとの間では営業力のある一例として,名鉄観光があげられます*4

ただし,航空機ツアーとの比較では,金沢駅・小松空港間のバスが片道1130円,所要約40分ということにも注意を。また,航空機では,とくに冬に,風雪による終日欠航のリスクがあります。新幹線では,運休が長時間続いたことはありません。

日帰りは2人から

びゅうツアーでは,2人から日帰りも設定されています。冠婚葬祭やライブなどでは,新幹線で日帰りなら行ける場合も多く,その需要にも応えます。

正規運賃の往復からは,通常で3540円引,限定列車版で4940円引。よく使われる割引きっぷ・トクだ値からだと,通常で700円引,限定列車版で2100円引。そこに,後で書くバスの1日乗車券(500円)が付くので,それを使うなら,割引の価値はプラス500円といえます。

なお,1人で日帰りとか,帰りは飛行機や高速バスとか,翌日帰るがホテルは不要といった場合には,表にある片道ごとの割引きっぷしか使えません。詳しくは,片道の割引きっぷを比較した別記事へ。

日帰り分には金沢観光に使える北鉄バスの1日乗車券をセット

各社の日帰りツアーでは,往復の新幹線に何かをセットしています*5。JR東日本の金沢日帰りツアーでは,観光客がよく買っている北陸鉄道バスの1日乗車券(500円)が付いてきます。兼六園,21世紀美術館,ひがし茶屋街など,金沢の主要な観光スポットに行けて,乗り降りが何回でも自由です。

この1日乗車券で行ける範囲には,本多の森ホール,金沢歌劇座,金沢市文化ホール,北國新聞赤羽ホール,金沢AZ,金沢Eight Hallがあります。そこで,ライブに行くための日帰りでも,無駄なく使えます。

実際の利用では,JRの券売機で発券されたバウチャーを,金沢駅兼六園口バス乗り場後ろのブースで,1日乗車券と引換ることになります。1日乗車券の詳しい使い途は,過去記事へ。

申込みは,えきねっとのツアーボタンから

申込みは,えきねっとのトップページから。JR東日本国内ツアーのメニューボタンをクリックして,目的地>北陸>石川県>金沢などと選択します。

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コース内容は,往復JR+宿泊,宿泊のみ,日帰り,の3つから選べます。日帰りでは,2人以上でないと,検索結果が0件になります。宿泊付きなら,1人からです。

以下は,日帰りのスケジュールと価格です。

日帰り・限定列車版は大幅割引23300円

もっとも安い限定列車版は,往復23300円。航空機の早期購入割引の多くも下回ります。ただし,土・日・祝日と帰省期間や大型連休が除外されていて,結婚式やライブイベントなどには使いにくい感じ。

土日祝日などは除外,用途は限られる

限定列車版は,次の時刻のものに乗れます。( )内は臨時列車です。

  • 東京発 6:16, 6:28, (6:44), (10:08), 10:24, (10:52)
  • 金沢発 19:02, 19:18, 20:17, 21:00 

出張利用も集まる7時~9時台発が除かれますが,その前後では,速いかがやきにも乗れます。たとえば,始発で出発,最終で帰るなら,以下のようです。

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日帰りは2名からの販売で,上の代金表示も2名分です。

始発と最終で組むと,東京6:16→8:46金沢,金沢21:00→23:32東京と,滞在時間12時間が確保できます。楽に行けるものには,東京10:24→12:52金沢,楽に帰れるものには,金沢19:18→21:56東京があります。

安さを求めるなら,まず限定列車版で,速いかがやき→停車駅の多いはくたかの順に検索。残席のある行程が無理な場合に,列車を限定しない次のバージョンに移るのがおすすめです。

列車限定でないものは原則毎日設定,往復24700円

列車を限定しないものは,休日を含む毎日設定が基本です。わずかな除外日は,帰省ラッシュ時や年末年始,市内に大規模交通規制がある日だけ*6

空席がある全列車が選べるので,東京駅を8時台に出発,昼前に到着,夕食まで食べて,19時台の列車で帰る,無理のないスケジュールが組めます。それでも,金沢滞在8時間は確保できます。

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東京8:36→11:06金沢,金沢19:18→21:56東京という行程で,午後の結婚式などにぴったり。夜のライブなら,最終の金沢21:00→23:32東京に間に合うか,確認を。

片道ごとプラス3800円でグリーン車も選べる

列車限定でないものだけ,片道当たりプラス3800円で,グリーン車に変更できます。帰りだけグリーンにしても,正規の乗車券・特急券に比べれば,260円高くなるだけで,次の日の出勤が早い場合におすすめです。

JR東日本の北陸向けツアーの制約が緩和

JR東日本は,以前から,びゅうツアーをえきねっとと指定席券売機で販売しています。なぜ今頃になって,北陸新幹線を使うツアーが,ようやくネット販売開始なのでしょうか。

北陸はJR西日本エリアで,JR東日本が首都圏からの「びゅうツアー」を設定する際,他にない制約がありました。東京から金沢までの新幹線は,JR西日本区間を含んでしまい,割引と販売の設定などが,JR東日本だけの判断ではできないからです。それで,JR東日本の「びゅうツアー」では,自社の新幹線で向かう目的地では北陸だけ,ネット予約と指定席券売機での受取が不可能でした。

同様に,首都圏から京都など関西へのツアーは,JR東日本でも設定があるものの,現在でもえきねっとでの購入とJR東日本の駅の指定席券売機での受取ができません。京都・新大阪までの新幹線はJR東海というのが,最大の理由です*7

それが,新幹線開業後2年を過ぎた,2017年6月29日付のえきねっとのお知らせではじめて,北陸向けのびゅうツアーも,ネット予約と券売機受取が可能になりました。これで,パッケージツアーでも,JR東日本で完結する目的地と,ほぼ同じ販売体制。残る例外は,列車とホテル・旅館を1泊ごと自由に組み合わせられるダイナミックレールパックです。

ダイナミックパッケージは北陸向けの設定なし

びゅうツアー全体では,新幹線と好きなホテル・旅館を任意に組み合わせられる,ダイナミックレールパックも用意されています。上に載せたサイトメニューでは,右側のボタンです。しかし,現在でも,北陸向けの設定がありません。

こちらも可能になると,たとえば,1泊金沢,1泊和倉温泉や山中温泉などと,街歩きと温泉を組みあわせられますが,契約上の問題がまだあるのだと察します。

北陸→東京ツアーは券売機受取可のものなし

東京発北陸向けパックツアーがネット販売と券売機受取可能になったのなら,逆方向の,北陸発東京向けツアーも,同じ利便性が期待されるところ。

東京のホテルは周辺よりも特別に高く,買物や各種イベントへの参戦目的では,日帰りの需要も旺盛です。券売機での受取も,JR東日本でできているように,技術的には可能ですが,残念なことに現状では設定がありません。

北陸発を設定できるのは,駅を管轄するJR西日本とその子会社・日本旅行などです。

JR西日本のみどりの窓口では扱いなし

JR西日本の駅で申し込める日帰りツアーは,現在のところ以下のリンクで検索すると現れる関西↔北陸のものだけ。もし設定されれば,以下で検索できますが,東京向けは現状でありません。

金沢駅みどりの窓口対面の日本旅行金沢支店では購入・受取可

子会社の日本旅行では,下のものが用意されていて,金沢駅のみどりの窓口対面にある日本旅行金沢支店で申込と受取ができます。ただし,ネット申込と宅配では,購入期限が1週間前あたりとかなり前倒し。それ以降は,店頭購入だけです。いずれも,券売機では受け取れません。

東京→金沢日帰りより金沢→東京日帰りが高い!?

日本旅行が販売する金沢→東京日帰りツアーの価格は,早朝などの特定列車限定で,1000円の買物券付きで24900円から。意外なことに,東京発金沢往復より高い設定です。

この謎も,北陸新幹線がJR東日本とJR西日本にまたがることで理解できます。東京・金沢間では,JR東日本区間よりJR西日本区間が短い距離。そのため,自社の判断で割引ける部分は,JR西日本と日本旅行が設定する北陸発よりも,JR東日本が設定する東京発の方が大きいからなのでしょう。

*1:なお,このびゅうツアーでは,乗車券部分の発着は都区内駅ではなく,東京・上野・大宮駅などで設定されています。新幹線乗車駅までJRに乗るのなら,いつものSuicaなどで乗車後,新幹線乗車駅の乗り換え自動改札で,ツアーで発券された割引きっぷの投入とSuicaのタッチで精算されます。

*2:駅ごとの指定席券売機の稼働時間は,指定席券売機のある駅検索|JR東日本で調べられます。主要駅なら,ツアーの発券システムが動いている5:30から23:00まで,フル稼働です。

*3:変更時に,変更先の列車のトクだ値が新規に発売されているもののみ,トクだ値の料金が継続適用されます。トクだ値の発売が終了している,当日の他列車への変更は,無割引の特急料金との差額が徴収されます。
 たとえば,出張の用務先で,当日仕事が終わる時刻がわかってから,帰りの列車を早めたり,遅めたりすると,無割引の特急料金との差額が必要です。
 つまり,当日の他の列車への変更は可能ですが,当初の割引はなくなる仕組みです。

*4:名鉄は,金沢の周遊バスなどを運行する北陸鉄道の筆頭株主で,百貨店の一つ・めいてつエムザの上階にあるANAホリデイイン金沢スカイを保有していた経緯などもあり,金沢では大手旅行代理店に次ぐ営業基盤があります。

*5:たとえば,JR東海ツアーズのこだま専用の大幅割引きっぷ・ぷらっとこだまでは,駅の売店でのドリンク引換券がセットされています。
 わざわざセット販売にする理由は,日帰りで往復のきっぷだけを割引くと,実質的には鉄道運賃・料金の割引になってしまい,鉄道会社の運賃の届出規制などに触れる可能性があるためです。そこで,他の交通機関やサービスと組み合わせた募集型企画旅行として,全体を割り引く形式をとっています。

*6:たとえば,金沢マラソンのある10月最終日曜日には,バスの大規模な運休と経路変更があります。おまけの1日乗車券の利用が難しいため,その日の日帰りツアーは発売を停止しています。

*7:東京から京都・新大阪へ向かう東海道新幹線は全区間JR東海で,JR東日本との契約上の制約はもちろんのこと,その方向のツアーを販売してもJR東日本の収益への貢献はほとんどありません。そのため,JR東日本としては,指定席券売機を使うなど,販売方法を改良してまで,需要を喚起する誘因が乏しいからです。
 このブログでもよく扱ってきましたが,JR東日本,JR西日本,JR東海が別の企業であることが,割引きっぷや旅行商品の販売戦略に大きな影響を与えています。各社とも,自社エリアに長く乗るような観光地に誘導するからです。
 たとえば,東京駅の丸の内口を占めるJR東日本は,これまで東北と信越推しで,北陸新幹線開業後にようやく北陸枠ができた現状。八重洲口の大部分を占めるJR東海は,「そうだ 京都,行こう。」が全面で,その先の山陽区間は,神戸・姫路でも,ほとんど無視です。新大阪まで乗ってもらえば,その先どこで降りようが,JR東海の収益には無関係だからです。JR西日本は,北陸よりもむしろ,世界遺産の広島・厳島神社など,瀬戸内海と山陰に豊富な観光資源があるのに,東京の駅に営業拠点がなく,共同企画以外のチラシは駅にありません。この会社境界によって,大都市圏の販売で,得をしている観光地と,損をしている観光地があるのが実態です。