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北陸新幹線で行く,はじめての金沢

お庭,お菓子,お魚,お酒が揃う城下町をまわるため,金沢出身・東京在住者が往復しながらヒントを書いていきます。

金沢市営の観光施設3館でGoogleインドアビューを公開:金沢蓄音器館は国産初期のものも

観光スポット

金沢のイメージから連想しにくい観光施設,金沢蓄音器館。たぶん思うのは,金沢に蓄音器のメーカーか工場でもあったかな,ということでしょう。

そういうわけではなく,金沢で1914年(大正3年)から営業していたレコード店・ヤマチク(旧・山田屋蓄音器専門店)の経営者が集めた蓄音器とレコードのコレクションが母体。ここでも,金沢市が太平洋戦争で空襲を受けなかったことが効いています。

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そのコレクションが金沢市に寄贈されてからの開館で,2001年の建築。色調を違えたレンガづくりの瀟洒なたたずまいです。

音楽はダウンロードかストリーミングが当然の世代には,蓄音器の説明も要りそう。蓄音器はレコード・プレーヤーの原型。当初は,ゼンマイ動力で回るレコード盤の溝で動く針の振動を,ホーンによる拡声だけで聞いていたものです。

ひがし茶屋街にも近く,橋場町バス停下車徒歩約2分

アクセスは,ひがし茶屋街というより主計町かずえまち茶屋街に近く,それらと同じ橋場町バス停から徒歩2~3分ほど。茶屋街と合わせて立ち寄れます。また,隣に金沢美大の展示施設と泉鏡花記念館が続いているので,そこは最後に挙げる過去記事もどうぞ。

蓄音器約150台の展示とSPレコードが

所蔵される蓄音器は,国産初期のものから約600台で,常設展示はうち約150台。ほかに,SPレコードが約2万枚ですが,それらは収蔵されていて,後に書く1日3回の聴き比べの時間に,その音が披露されます。

科博認定の重要科学技術史資料が3点

特筆ものとしては,国立科学博物館が認定している重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)。それがここに3点あります。

うち1点は,国産初の蓄音器・ニッポノホン35号で,1910年(明治43年)日本蓄音器商会(現日本コロムビア)製。

このショットでは中段の右に位置している,花弁状のホーンのものです。下段左の蓄音器のホーンにほとんど隠れていますが,中段の真ん中に,青色のマークのある盾があります。それが,重要科学技術史資料の認定で,国立科学博物館から贈られたものです。

それとセットで認定されているのが,下のラッパ内蔵型蓄音器ユーホン1号で,1911年(明治44年)製。

こちらは,ホーンを箱の内部に収める小型化で,一般家庭への普及を目指したもののようです。

両方の蓄音器とも量産なのに,重要科学技術史資料として認定されたのは,この金沢蓄音器館収蔵のもの。収蔵に至る経緯が明確なことと,現状が原型のままという点などで,こちらが選ばれたのでしょう。認定に関する国立科学博物館の文書はこちら。

国産初期の蓄音器

フィルモンの再生機も重要科学技術史資料に

ほか2点の認定は,国産初のSPレコード卓上型フィルモン/円盤兼用再生機。とくに後者は,1930年代に日本で独創されたメディア「フィルモン」の貴重な再生機です。

6分の収録が限度だったSPレコードに対し,13mのセルロイドのフィルムをエンドレスにし,らせん状に溝を刻んで,36分の収録を可能にしたもの。どう考えたらこうなるのかわからないほど変わった方法で,結果的には普及しなかったものの,技術史の1ページとしての認定です。

1日3回の聴き比べタイムがおすすめ

SPレコードは,針で溝が削れてしまうため,100回程度の再生で寿命が来る,儚いメディア。残念ながら,自由に聴けるものではなく,蓄音器ごとの聴き比べの時間が11,14,16時に設定されています。そのほか,自動再演ピアノが,日曜のみ10時30分,13時30分,15時30分の3公演。それが聴ける時間帯の入館がおすすめです。

Youtubeに演奏の一部収録を公開

実際の音を知りたい方のために,Youtubeにいくつかのファイルが。

デジタル音源になれた耳にとっては,ノイズとゆらぎのある別世界。それがかえって独特の心地よさを生んでいるような気もします。

隠れたおみやげにビクターの犬

ミュージアムショップで,HMVやビクターでおなじみの,蓄音器をのぞく犬・ニッパーの置物が売られています。

ホーンの中に亡き飼い主がいると思う故事は,当時の蓄音器の偉大さを伝えています。

入館料は300円,1日乗車券などで50円割引

入館料は大人300円,65歳以上200円,高校生以下は無料。50円割引となる対象として,北陸鉄道バスの1日乗車券(500円),いしかわ観光旅ぱすぽーとのほか,JAF会員クラブオフ福利厚生倶楽部ベネフィットワンなどがあります。

16館回れるパスポートが1日券510円

蓄音器館のある橋場町交差点周辺は,さまざまな施設が集まっています。隣が泉鏡花記念館,斜め向かいの交差点角が金沢文芸館,路地を進むと,徒歩4分で寺島蔵人邸です。

逆方向へ向かうと,徒歩5分でひがし茶屋街の中心で,大通り沿いには安江金箔工芸館,徒歩6分で徳田秋聲記念館です。

これらは,21世紀美術館を除く市営の文化施設16館をすべて回れるパスポートで入れます。1日券510円,3日券820円,年間2050円です。

お隣の施設は過去記事に

とくにお隣は,柳宗理記念デザイン研究所(無料)と泉鏡花記念館(有料)で,この機会にあわせて回れます。

クレジットとSuicaなどが利用可

何度か書きましたが,金沢市営の主な観光施設では,入館料の支払いにクレジットやSuicaなどが利用できます。1日券からの共通パスポートの購入にも使えます。詳細は過去記事を。