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北陸新幹線で行く,はじめての金沢

お庭,お菓子,お魚,お酒が揃う城下町をまわるため,金沢出身・東京在住者が往復しながらヒントを書いていきます。

金沢の宿泊,空いているのは冬と7月前半,10月:宿泊客数で見る混雑日・閑散日ランキング

混雑対策 ホテル 食事・カフェ

金沢ではホテル建設のニュースが続いていて,現在のホテル不足も,供給の増加で解消されそうです。建設されるのは,標準34m2と広い外資系ブランドから,シングル主体の宿泊特化型までで,クオリティも価格も,今より厚みが増します*1

それまでの間,いつが空いていて安く泊まれるのか。宿泊客数のデータも,新幹線開業後一年以上蓄積されていて,整理してみます。結論を先に。

まとめ

  1. 年末年始と連休を除く12月,1月が底
  2. 10月は気候がよいのに,街中の紅葉とかに漁解禁待ちで,穴場
  3. 学生が動きにくい時期(7月前半と1月冬休み明け)が狙い目
  4. 3連休の数日前か後の火水木は,注目されず空いている
  5. 夏休み,クリスマスなど,大きな計画を考える直前は空いている

1日単位の宿泊客数がわかる観光予報プラットフォーム

2015年12月から,市区町村ごとの宿泊客のデータを1日単位でとれるサイト・観光予報プラットフォームを,経済産業省が公開しています*2。それで,年間で客が多い日と,少ない日を調べてみました。日付ごとのデータは,細かいので最後に。

月単位では12月,1月が底(年末年始と連休を除く)

はじめに,傾向がわかる月次集計から。

金沢市の月別宿泊客数のグラフ

開業1年目は,(開業日が途中にあった3月を除き)1か月平均約86000人,1日平均2700人ほどの客数増でした。開業2年目も,開業前との比較では毎月平均で約62000人,1日平均2000人の伸び。反動減も開業後の伸びに比べれば小さく,開業前の宿泊客数を下回ったのは,2016年10月のみでした。これなら,200室前後のホテルが6つほど増えるのも,納得できます。

年末年始は特別な宿泊客が

月次の変動をみると,12月から1月に底があって,開業前と同傾向。ただし,後の日次データでわかるように,正月は温泉やホテルで,という需要は以前から旺盛で,12月30日や1月1日は年間でも混雑日の上位です。また,連休もそこだけ客が増えます。年末年始の金沢旅行の注意点は後にまとめます。

新幹線開業後の変化は,2月の回復が大きくなったこと。航空機や在来線よりも,風雪による運休が格段に少ないことが,効いていそうです。実際,開業からもう少しで2年ですが,運休が半日まで続いたことはなく,悪天候でも何本か後で回復する程度。羽田・小松便では,終日全便欠航があるのに比べれば,かなりの改善です。

意外な穴場10月は,紅葉と,かに漁待ちか

冬以外の穴場は,意外にも10月。新幹線開業後の反動減も,大きく出た月です。ただし,10月下旬の日曜(2017年は10月29日)にある金沢マラソン前日の土曜は満室傾向。また,秋の学会シーズンで,大規模学会などがあれば,金・土曜が混みます。

10月が落ち込む理由として考えられるのは,秋とはいえ,兼六園など街中の紅葉と県内のかに漁が11月からなこと。たとえば,下の写真は,兼六園に隣接する奥方御殿で重要文化財の成巽閣せいそんかく

金沢市にある加賀藩主・前田家の奥方御殿・成巽閣の紅葉

撮影は11月26日でした。江戸時代からの建物と庭に落ち葉が散る頃で,紅葉も終盤。こんな感じで,金沢の街中の紅葉は,兼六園も含めて11月の後半です。

10月の紅葉は,北陸だと標高の高い山や渓谷が見頃。近隣でスケールが大きいのは,富山県の立山黒部アルペンルート黒部峡谷宇奈月温泉です。石川県の最高峰は白山ですが,世界遺産の合掌造り集落・白川郷から白山市へ抜けられる白山白川郷ホワイトロードは,立山のような公共交通機関がなく,車やツアーバスだのみ*3

金沢周辺で他の紅葉の名所は,山中温泉鶴仙渓かくせんけいや,加賀温泉を循環するキャンバスでも行ける粟津温泉近くの那谷寺なたでらなど。いずれも標高が低く,見頃は11月の中旬です。

10月が手控えられるもう一つの理由は,後で書くように,石川県のかに漁が11月初旬に解禁であること。あと少し待てば地物のかに,という時期です。

7月前半も意外な狙い目

おもしろい発見は,7月が6月よりも落ち込む点。ただし,後の日次データでわかりますが,7月前半までです。理由の一つは,学生の多くが,期末試験やその準備などで動けないからでしょう。

同じ理由で,学生が旅行しにくい期間は,冬休み明けから1月末あたり。1月の宿泊客が年間で最少となることに影響しています。試験や課題が終わった学生から動き出せるため,春休みを待たず,2月はじめから宿泊客は増え出します。

閑散の冬も,食では,かに,ぶりが揃う時期

冬が閑散な要因で大きいのは,やはり天候です。しかし,海鮮の種類や質では冬がベスト。とくに,次の3つの日付は決め手です。

  1. 魚種の増える底曳き網漁が9月から翌年6月まで(7,8月は禁漁)
  2. ずわいがに漁が11月上旬から翌年3月20日ごろまで
  3. そのうち,雌の香箱がには12月末まで

そこで,11月上旬のかに漁解禁日から12月末が,魚の量も質も豊富。新年1月からは,雌の香箱がにがなくなりますが,雄のかには3月のどこかまで漁が続き,ぶりや白子のおいしいたらも3月までは楽しめる期間。閑散期である12月,1月の旅行は,食では満足できる時期です。正確な漁期は,シーズンになると石川県漁協のページで確認できます。

ずわいがにでも,地物の強みは,ボイルしたものではなく,生のまま仕入れられること。それで,かにの刺身や焼きがにができるところも多く,かにみそも甲羅で合わせるなど,うまく使われます。たとえば,ホテル日航金沢の弁慶で。

石川県水揚げのずわいがにの会席料理の一品・焼きがに(ホテル日航金沢・弁慶)

このときは,能登の蛸島港水揚げのもの。周辺では,金沢港や橋立港などの水揚げも多く,港の近さが鮮度を支えます。

庭には織部灯籠に雪吊りを施した木々。雪が積もる前ですが,冬の食を引き立てます。このホテルは,金沢駅から地下道経由で濡れずに着ける場所で,新幹線開業で2月の旅行が増えたのも納得できます。なお,奥の灯りは鮨カウンターで,たとえ大雪で外を歩きたくなくても,仕事をされた鮨が食べられます。そちらは過去記事を。

各月ごとにどの魚があるかは,魚の写真をクリックすると,月別の漁獲量のグラフが出てくる,以下のページを。人気ののどぐろは,正式名あかむつで載っています。

魚種ごとの月別水揚げ量|石川県水産総合センター

今何が獲れているか,昨年どれほど獲れていたかは,こちらで1日単位でわかります*4

JF石川かなざわ総合市場|石川県漁業協同組合

春はほたるいか,夏は岩がきが特徴的で,あわびと鮎も

冬以外の時期も,魚はあります。春はほたるいかや,さより。夏はあわびや鮎,そして,天然の能登の岩がきが特徴的。

たとえば,細かな仕事の鮎の姿鮨に,松茸の天ぷらを添えた一品を,つば甚で。

鮎の姿寿司(金沢市の料亭・つば甚)

頭のついた骨から尾を別仕立てとし,身の中に酢飯をはさんだ遊び心のある盛り付け。犀川を見下ろす松尾芭蕉ゆかりの小春庵に映えます。

もう一つ,能登の夏に意外な魚介類,かき。「牡蠣は"r"のつく月に」ということわざのように,旬はふつう冬。しかし,能登の岩がきは夏が旬。写真は,金沢市街を見通せる眺めの卯辰かなざわで。

能登の岩牡蠣(金沢市の会席料理店・卯辰かなざわ)

レモンと比べると,大きさがふつうのかき(真牡蠣)の3倍ほどあることがわかります。夏の岩がきは,金沢の居酒屋には広く出ていて,近江町市場でもその場で食べられる店があります。なお,生がき全般に,消化に個人差があるので,食べ慣れている方向けです。

甘えび,のどぐろは,ほぼ通年で安心を

このほか,金沢のお造りや鮨で定番といえる地物の甘えびは,夏の水揚げが減るものの,漁法を使い分けて,ほぼ通年。白身なのに繊細な脂身がおいしい,のどぐろも,冬の方が脂がのっておいしいですが,水揚げのピークは9,10月で,ものはほぼ通年。

かにについては,ずわいがにの禁漁期間でも,小ぶりな毛がにと紅ずわいがにが,長い期間あります。

宿泊客が多い日トップ20

それでは,2016年の混雑日上位20日分です。

金沢市の宿泊客数多い日ランキング
順位日付曜日宿泊客数備考
1 2月11日 木・祝 17,559  
2 4月30日 16,914 3連休中日
3 5月3日 火・祝 16,739 3連休初日
4 4月2日 16,065 花見の週末*5
5 4月29日 金・祝 15,908 3連休初日
6 5月1日 15,306 3連休末日
7 2月12日 15,114 祝日の翌日
8 6月25日 15,000 学会など
9 8月11日 木・祝 14,964  
10 3月27日 14,900  
11 12月30日 14,895 年末年始
12 6月18日 14,860  
13 1月1日 金・祝 14,852 年末年始
14 7月17日 14,826 3連休中日
15 3月28日 14,731  
16 9月22日 木・祝 14,424  
17 9月3日 14,417 学会など
18 5月2日 14,387 3連休中日
19 1月10日 14,338 3連休中日
20 7月16日 14,290 3連休初日

上位は3連休が並びます。ゴールデンウィークは,ほとんどの日が上位。曜日の並びがよいところは,1日14000人超の宿泊で,偶然のキャンセル以外,ほとんど満室の状況でしょう。なお,このデータ,各種予約チャネルなどのビッグデータからの推定とされていて,実数とは一致しません。

意外と混雑した2月の飛び石連休と6月の週末

2016年の最混雑日は,意外にも,2月の飛び石連休といえる祝日でした。金曜日を休めば,木曜から日曜まで4日間旅行できる並び。試験などから解放された学生が多くなる時期でもあり,前後の連休からも離れていて,思わぬ混雑日となったようです。もっとも,2017年は2月11日(祝)が土曜で,休みが増えず,それほど混雑はしないでしょう。

一方,6月にも,連休でないのに混雑する週末がありました。散発的に各種イベントや学会が入ったためでしょうか。なお,6月1週目の週末にある百万石祭りは,例年特別に混雑しますが,団体予約が多いのか,このデータでは20位までに入りませんでした。2月,6月とも,何もない平日なら,他の月よりは空いています。

年末年始は観光施設,近江町市場,飲食店の休みに注意

年末年始も,12月30日と1月1日は年間で上位の混雑日。旅館やホテルに泊まって,正月料理を考える人も多いようです。

その際,公営の観光施設では,個別の休館に注意。たとえば,21世紀美術館は,年末早めに休館し,2017年は1月2日から開館でした。例外的に,兼六園・金沢城公園は年末年始休みなく開園で,兼六園は特別に無料開園期間です。

また,魚の卸売市場も,年末年始は休場。連動して,小売の近江町市場も,年越しの買い出しで年間で最混雑となる12月31日まで営業するかわり,年始は長めに休業が大勢です*6。そこで,魚介の仕入れが重要な日本料理店や鮨店は,旅館営業のある店などを除き,大晦日前後から年始まで長く休むのがふつうです。

その時期に食事をしたいなら,無休のホテルのレストランや鮨店。または,駅ビル金沢百番街と駅前金沢フォーラスのレストランフロアが,初売り1月1日から営業。正月休みに鮨などを食べるなら,その選択肢に絞られます。とくに,鮨は仕入れができないまま,何日か営業で,熟成や昆布締め,づけなどの仕事の差が出る期間です。

正月休みを料理重視の旅館でくつろぐなら,近くで水揚げされたかにを食べるのが,北陸ならではの楽しみ。ただし,地物のずわいがには,漁が止まる一方で,需要があるため,年末年始はやや割高な時期です。旅館では別注料理の扱いも多く,内容は予約時に確認を。到着後の注文では,無理な場合も多いです。

宿泊客が少ない日ボトム20

今度は,2016年でもっとも閑散だった日から20日分です。

金沢市の宿泊客数少ない日ランキング
順位日付曜日宿泊客数備考
1 1月7日 4,032 3連休前
2 12月20日 4,204 3連休前
3 12月21日 4,503 3連休前
4 1月20日 4,516  
5 1月21日 4,661  
6 1月13日 4,758 3連休後
7 12月8日 4,792  
8 1月14日 4,847 3連休後
9 1月6日 4,868  
10 1月8日 5,021 3連休前
11 12月14日 5,049  
12 12月15日 5,116  
13 1月26日 5,313  
14 12月16日 5,461  
15 1月15日 5,536  
16 1月27日 5,641  
17 7月20日 5,666 3連休後
18 7月13日 5,672 3連休前
19 1月12日 5,685 3連休後
20 1月19日 5,811  

旅行を考えにくい日が並びます。とくに,1月7日は,学校も冬休みが終わるところで,家族旅行もなくなる日。年間で一番空いている日は,そこでした。

閑散20日のうち18日は12月と1月,2日は7月

結局,閑散日20日のうち18日は12月と1月で,冬に集中します。ただし,年末年始と連休を除きます。狙うなら,皆がクリスマスや年末年始を考えている時期に,旅行を完結させること。また,冬休みが終わる頃の旅行を企画することです。

3連休から数日空けた前後の火水木が穴場

全体としての特徴は,3連休など客の集まる期間から,数日空けた前後の火水木が,盲点の日となること。同様に,クリスマス前,年末年始の休み前,夏休み前も,関心がそれだけに向いて,盲点となる平日があります。

連休後の火曜日は21世紀美術館の休館に注意

空いている日を狙う際の注意点は,21世紀美術館が原則月曜休館であること。ただし,月曜が祝日のときは,休館は翌日の火曜日に振り替えです。連休明けを狙うときは,休館のチェックを。なお,兼六園と金沢城は,(お茶席や城の一部など追加料金の部分を除き)年中無休です。

以上,1日の宿泊客は最多17559人から最少4032人まで,4倍超の幅。ということは,上の閑散日の稼働率は,20%台になっています。そんな日のネット予約などでは,宿泊料金の大幅割引が期待できます。

例年のイベント:6月第1土曜と10月最終日曜

最後に,例年1万人超を集客するイベントで,市内に交通規制もある日が次の2つ。

今年,2017年のカレンダーでは,宿泊が増えるのが,2017年6月2・3日(金・土)と10月28・29日(土・日)になります。なお,上の混雑日ランキングに,両方とも現れなかったのは,別ルートでの予約や,近隣県からの日帰りが多いからでしょうか。

2017年限りの混雑日:5月27日・28日

今年は,たまたま同日開催のイベントがあり,特別な混雑日が生まれます。

合計3公演,のべ1万人超とJ2の試合がその土日に集中。4か月以上先ですが,ほぼ満室のホテルが多いです。

もっとも,コンサートの方は申込み時にホテルも予約するのがふつうで,当落判明後にキャンセルが大量発生します。この日,宿泊を検討の方は,空室と価格のチェックを繰り返すと,状況が改善しているかもしれません。

*1:計画が公表されたブランドとしては,ハイアットセントリック,三井ガーデンホテルズの三井不動産,チサンインなどをもつソラーレホテルズ,ユニゾイン,ホテルビスタなどと,金沢都ホテルの建て替えです。

*2:各種予約チャネルのビッグデータ(日本の宿泊全体の約6%)からの推定とされていますが,そのデータソースは公開されていません。宿泊客の統計では歴史の長い,観光庁の宿泊旅行統計調査では,抽出された宿泊施設からネットと郵送で調査票に回答を受ける方式。経産省のデータと観光庁のデータは,調査方法がまったく違うため,それぞれの長所が使い分けられていくでしょう。

*3:金沢駅は,白川郷まで高速バスで75~85分(1日片道10本)と,最短時間で着く新幹線駅です。しかし,この高速バスは,ホワイトロードではなく,高速道路経由で,白山を越える山道の紅葉は見られません。

*4:たまにある白紙の日は,悪天候で出漁できず水揚げゼロということです。とはいえ,お造りや鮨ネタも当日限りではなく,数日の熟成でうまみが増すものもあって,悪天候が続かなければ大丈夫です。

*5:2016年の桜満開は4月4日で,平年より7日も早い日。北陸では珍しく,学校の春休み期間に入ったため,例年より客数が増えています。2017年の予報では,満開が平年並みの4月11日です。金沢の桜の様子は,過去記事に。

*6:各所で質問がありますが,近江町市場は商店街のようなもので,全体としての定休日はなく,営業日や時間は各店ごとの判断です。定休日で多いのは,中央卸売市場の休場に連動する水曜。一部に,昔は多かった日曜定休を続ける店もあります。営業時間は,卸売市場や飲食店の仕入れに合わせて,食品スーパーより早く,午前9時開店,午後5時ごろ閉店の店が多いです。