2020年分から,JR東日本の株主優待券にはQRコードが付き,東京-金沢のきっぷも指定席券売機で簡単に買えるようになりました。その実例は,新しい記事に載せています。
東京-上越妙高はJR東日本,上越妙高-金沢はJR西日本
JR各社の株主優待は,それぞれのエリアだけで有効です。ところが,北陸新幹線は,東京・上越妙高間がJR東日本,上越妙高・金沢間がJR西日本です*1。そのため,JR東日本と西日本,どちらの株主優待を使っても,割引は上越妙高で切られます。
境界を通過して乗り通す時も株主優待は使える
公式サイトでは,通過列車を含む直通列車でも,境界駅まで株主優待が適用されることが書かれています。とはいえ,具体的な計算例がありません。
実際,速い「かがやき」は長野から富山までノンストップで,その間の境界駅・上越妙高を通過します*2。東京・大宮―富山・金沢で,速い「かがやき」に通して乗る場合,株主優待ではどうなるのでしょうか。
かがやきの特急券も,通過する上越妙高で分割
乗車券は,通過駅で2枚に分割されていても有効です。その例は,後で写真を挙げます。問題となる,境界通過列車で株主優待を使った特急券は,こうなります。
下の特急券は,通過する上越妙高で2枚に分割されています。この2枚の特急券にまたがる座席指定だけの券(写真上の指ノミ券*3)が別に発券されて,計3枚セットです。
左下の券の西優5割65というのが,JR西日本の株主優待を表すコードで,金沢・上越妙高間が5割引。これと対称的に,JR東日本の株主優待なら,右下の券,東京・上越妙高間が1枚で2割引(2枚で4割引)になります。ここで,なぜグリーン車なのかというと,その方が割引額が大きいからで,後で説明します。
特急券が通過境界駅で分割される例外
指定席の特急券を,通過駅で分けて買うことは,ふつうできません。しかし,会社ごとに制度が別の,株主優待の場合は,こうして特別に発券されます。
このJR西日本側の株主優待を発券できるのは,JR西日本の駅だけ。同様に,JR東日本の株主優待の発売は,JR東日本の駅だけです。
購入した駅は,JR西日本の株主優待を使い尽くすなら考える,その最西端駅・博多。あわせて購入した乗車券の説明は,最後にします。
東京-金沢間,普通車ではネット割引程度
ではどの程度安いのか。まず,普通車の計算です。
きっぷと割引 | 区間と対象 | 合計 | 特急券 | 乗車券 |
---|---|---|---|---|
通常の運賃・料金 | 東京―金沢 | 14120 | 6780 | 7340 |
東京―上越妙高 | 9280 | 4200 | 5080 | |
上越妙高―金沢 | 6130 | 3110 | 3020 | |
JR東日本株主優待 東京ー上越妙高で有効 |
1枚で2割引 | 13550 | 計算例,JR東日本の株優1枚の場合: 自社の4200円と5080円は2割引, 他社の3110円と3020円は無割引。 料金部分ごとに,10円未満切捨て |
|
2枚で4割引 | 11690 | |||
JR西日本株主優待 上越妙高―金沢で有効 |
1枚で5割引 複数枚使用不可 |
12340 | ||
えきねっとトクだ値 | JR東日本 えきねっと会員 |
12700 | 購入は当日午前1時40分まで (メンテ時は前日23時40分まで) 席数限定・当日変更に注意点*4 |
|
モバイルSuica特急券 | JR東日本 モバイルSuica会員 1席に1台必要 |
13380 | ||
スーパー・モバイルSuica特急券 | 12030 | 購入は前日23時40分まで 席数限定・変更不可 |
||
eきっぷ | JR西日本 J-WESTカード会員 |
13480 | 6140 | 7340 |
e早特1 | 12130 | 購入は前日23時30分まで 席数限定・変更に注意点*5 |
||
WEB早特1 | JR西日本 e5489会員 |
12700 |
上で比較した割引きっぷの各種条件は,過去記事へ。
JR東日本・西日本どちらの株主優待でも,境界駅・上越妙高で割引が切られ,その先は無割引となるために,あまり安くなりません。割引額が,ネット購入での割引と同じくらいでは,そこだけで株主優待を使う価値はありません。
同程度の割引でも,ネット割引に対する優位性があるとすれば,窓口での変更が,当日でも乗車前までできることくらいです。ただしそれも,株主優待のある会社の窓口だけで,別会社では基本的に変更できません*6。
使い道1:グリーンを割引く数少ない手法
株主優待はグリーン車でも有効で,グリーン料金も同率で割引かれます。そこで,グリーン車の方が,割引額は大きくなります。
もともと,グリーン車用の割引きっぷは,ほとんどなく,割引額もわずかです。そのため,普通車と同条件で割引される株主優待の利用価値は高まります。グリーン車での計算は,次の表です。
きっぷと割引 | 区間・対象 | 合計 | 特急料金 | グリーン 料金 |
乗車券 |
---|---|---|---|---|---|
通常の運賃・料金 | 東京―金沢 | 18750 | 6260 | 5150 | 7340 |
東京―上越妙高 | 11850 | 3680 | 3090 | 5080 | |
上越妙高―金沢 | 7670 | 2590 | 2060 | 3020 | |
JR東日本株主優待 東京ー上越妙高で有効 |
1枚で2割引 | 17140 | 割引時は,特急料金,グリーン料金,運賃それぞれの部分ごとに,10円未満切捨て | ||
2枚で4割引 | 14760 | ||||
JR西日本株主優待 上越妙高―金沢で有効 |
1枚で5割引 複数枚使用不可 |
15680 | |||
モバイルSuica特急券 | JR東日本 モバイルSuica会員 |
18530 | |||
eきっぷ | JR西日本 J-WESTカード会員 |
18630 | 11290 | 7340 |
普通車では最安のスーパーモバトクや,次に安いe早特1,よく知られているトクだ値は,東京・金沢間でグリーン車用のものがありません。グリーンで割引のあるモバトクやeきっぷでも,割引はぞれぞれ220円,120円(片道)と,わずかです。実は,この区間でグリーン車にもっとも安く乗る方法は,JR東日本のツアーを使うことで,片道ごとに普通席プラス3800円ほど(時期により変動)です。それは別記事へ*7。
注意点として,グランクラスでは,特急券の割引も受けられず,割引は乗車券部分に限られます。それでは普通車にも劣る割引額となり,使い道として得策ではありません。
金沢・東京間のグリーンに株主優待を適用した例
下の写真は,JR西日本の株主優待を,金沢→東京のグリーン席に適用した実例です。
特急券と乗車券の区間が同じなら,乗車券と特急券を合わせて1券片にできます。そこで,上越妙高で株主優待が切られても,上のような発券になります。
JR東日本の株主優待券がすでにあれば,グリーンで使う価値あり
JR東日本の株主優待の場合,東京・金沢間でも,グリーンなら,優待券の流通価格ほどの割引になります。つまり,手元に優待券があれば,売るよりはましな割引になります。しかし,金券ショップやネット売買で優待券を買うとなると,優待券を求めた金額とほぼ同額の割引が得られるだけで,そうする価値はありません。
JR西日本の株主優待では,グリーンでも利用価値は低い
一方,JR西日本の株主優待券の場合,金沢・東京間ではJR西日本の区間が短く,グリーンの利用でも,優待券の流通価格を下回る割引にしかなりません。他に乗るあてがないときに,使ってしまうか,という程度です。
ということで,北陸新幹線に乗るとしても,別の区間との通し乗車で,割引を適用するのが得です。その実例は,後で書きます。
使い道2:1社を長く乗るルート
株主優待を乗車券に適用する場合,その会社のエリアで作ることのできる1枚の片道乗車券が,一定の率で割り引かれます。そこで,エリア内で,長い乗車券を作れるほど,割引額は大きくなります。片道乗車券にできるのは,戻らず,交わらずに,同じ駅を2度目に通るところまでです。
株主優待を北陸新幹線で使う場合の問題点は,東京・金沢の中間に会社境界があって,JR東日本・西日本どちらの株主優待でも,そこまでしか割引にならないことです。ということは,JR東日本エリアかJR西日本エリアにルートを長く伸ばすほど,割引額は大きくなっていきます。
特急券の割引:JR東日本は1列車だけ,西日本は乗車券内の全列車
複数の列車を乗り継ぐような,長いルートでの注意点は,株主優待券の適用範囲が両社で異なることです。
会社 | 優待券と 割引率 |
乗車券の割引 | 特急券などの割引 |
---|---|---|---|
JR東日本 | 1枚で2割引 2枚で4割引 2枚が限度 |
片道乗車券1枚を割引 | 乗車券の区間内の一列車のみ割引 (新幹線は,改札外に出なければ, 同一方向の複数列車に適用可*8) |
JR西日本 | 1枚で5割引 複数使用不可 |
片道乗車券1枚を割引 | 乗車券の区間内の全列車を割引 |
JR西日本の株主優待では,新幹線を含む特急に何度乗っても,片道乗車券1枚に収まる区間のものすべてが,特急券・グリーン券とも半額になります。この条件は,列車を何度も乗り継ぐ長距離のルートほど,威力を発揮します。
JR東日本区間が長いルート:仙台→金沢
株主優待の適用ルートをJR東日本側に伸ばすとなると,需要の高い例は仙台発でしょう。計算するとこちら。
きっぷと割引 | 区間・対象 | 合計 | 特急券 | 乗車券 |
---|---|---|---|---|
通常の運賃・料金 往復割引は, 乗車券のみ1割引 |
仙台―金沢 | 22100 | 10480 | |
仙台―大宮 | (はやぶさ)5050 | |||
大宮―金沢 | 6570 | |||
仙台―上越妙高 | 8960 | |||
大宮―上越妙高 | 3990 | |||
上越妙高―金沢 | 3110 | 3020 | ||
JR東日本 株主優待 |
1枚で2割引 | 20790 | 割引対象)特急券:仙台-大宮 乗車券:仙台-上越妙高 |
|
2枚で4割引 | 17990 | |||
えきねっとトクだ値 | 仙台―大宮 (仙台発着やまびこ) 大宮―金沢の合計 |
21530 | 購入は当日午前1時40分まで (メンテ時は前日23時40分まで) このほか,お先にトクだ値あり |
|
モバイルSuica特急券 | 仙台―大宮 (やまびこ) 大宮―金沢 の合計*9 |
22540 | 通常より高くなることに注意*10 | |
スーパー・モバイルSuica特急券 | 20260 | 購入は前日23時40分まで 席数限定・変更不可 |
JR東日本では特急券の割引が1列車という制約があって,予想ほど安くなりません。株主優待券が手元にあるなら使ってもよい割引額。しかし,優待券を新たに買ってまで,このルートに使う価値はありません。
ただし,グリーンなら,割引額は大きく,優待券を買ってでも使う価値があります。その場合,グリーン用の特急券として割り引かれるのは,仙台・大宮か大宮・上越妙高の一方だけなので,割引を適用しない方は普通車とすることも検討です。
なお,上の比較は片道ですが,仙台—金沢は乗車券に往復割引の適用ができる600km超で,通常の乗車券なら往復で買えば1割引。しかし,株主優待との重複適用はできません。往復とも鉄道で,この経路の場合,株主優待は往復割引との比較が必要です。
1列車だけ割引く特急券は,はやぶさを選んだ方が割引額大
JR東日本の株主優待で,複数の特急に乗る場合には,特急券を割引く列車を1つ選ぶことになります。株主優待を適用する特急券は金額が高い方が得ですから,仙台・大宮間のはやぶさが選ばれます。それで,かがやきの特急券は無割引となり,それなら特急券を(上越妙高で分割する必要はなく)大宮・金沢通しで購入するのが安上がりです。究めるなら,大宮・金沢間については,乗車券・特急券が分離されている唯一の割引きっぷである,JR西日本のeきっぷを使うと,表よりもさらに安くなります*11。
比較対象となるネット割引では,もっとも使われているのが,えきねっとのトクだ値。ところが,特急券と乗車券が一体となった発売のため,運賃計算も新幹線を乗り換える大宮で分断されてしまいます。すると,通常の乗車券にある遠距離逓減の効果が現れず,仙台—金沢ではあまり安くなりません。もう一つの難点は,仙台—大宮のトクだ値は,仙台始発・終着のやまびこしか乗れないことです。
株主優待よりも,スーパーモバトクの安さが際立つ
ところで,表のように,スーパーモバトクは,モバイルSuicaが1席に1台必要という条件がつくものの,割引率では最強です。ただし,こちらも仙台・大宮間での対象は,やまびこだけ。
結局,仙台→金沢での株主優待は,モバスイがないか,はやぶさに乗る条件なら,手元にあれば使ってよい程度。はやぶさをグリーンにするなら,もう少し有利です。
なお,仙台→金沢では,2018年1月25日から,JR東日本のツアーで,ダイナミックパックという商品が発売開始されています。ホテルも一緒にとるなら,こちらの割引の方が有利で,別記事としました。
JR西日本区間が長いルート:山陽新幹線→北陸
一方,JR西日本の株主優待では,乗車券の区間内の特急券を,何列車分でも半額にできる強みがあります。すると,速い特急を乗り継ぐプランが効果的と予想されます。
博多・小倉・広島・岡山→金沢で大きな割引
JR西日本エリアで,速い特急のある区間へルートを伸ばす場合,需要が多いのは,山陽新幹線でしょう。
区間 乗り換え は新大阪 |
通常 | 株主優待 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
特急券 | 乗車券 | 合計 | 特急券 | 乗車券 | 合計 | |||
のぞみ | サンダー バード |
のぞみ | サンダー バード |
|||||
岡山―金沢 | 3210 | 2900/2 乗継割引 の適用 |
7340 | 12000 | 1600 | 1450*12 | 3670 | 6720 |
広島―金沢 | 4930 | 9610 | 15990 | 2460 | 4800 | 8710 | ||
小倉―金沢 | 5700 | 11120 | 18270 | 2850 | 5560 | 9860 | ||
博多―金沢 | 5700 | 11660 | 18810 | 2850 | 5830 | 10130 |
上の全区間がJR西日本エリアのため,割引の効果は絶大。博多・金沢間だと,通常18810円のところが,株主優待券1枚で10130円と,8680円も割引されます。株主優待券の流通価格を考えると,金券ショップやネット売買などで優待券を入手しても,かなりお得。優待券を新たに買っても有利になる目安は,上の表にある普通車の場合で,岡山以西です。グリーンなら,割引額は大きく,新神戸,姫路からでも得でしょう。
なお,上の比較は片道ですが,600km超では,乗車券に往復割引が適用されます。それは,金沢までだと605.4kmとなる広島以西から。往復で買えば,ふつうは乗車券だけ1割引ですが,株主優待との重複適用はできません。この点は,比較に注意が必要です。
JR西日本の株主優待での乗り換えは,京都ではなく,新大阪で
山陽新幹線↔北陸ルートの注意点は,のぞみとサンダーバードの乗り換えを,京都ではなく新大阪にすること。新大阪・京都間は新幹線と在来線どちらでも行けますが,新幹線はJR東海,在来線はJR西日本です。山陽方面から京都まで新幹線に乗ってしまうと,JR東海区間に進んだことになり,JR西日本の株主優待の効く1枚の乗車券と特急券になりません。
乗車時間当たりの割引額が最大になる山陽・北陸新幹線
以上を検討すると,JR西日本の株主優待で試したくなるのは,エリアの最西端から最東端を貫くルート*13。それは,一枚の乗車券が作れて,のぞみ,特急サンダーバード,かがやきで,速くて快適な移動ができます。
沿線には神戸・大阪・京都を含んでいて,観光スポットや宿泊地も豊富。それでいて,博多から東京まで,乗車時間は合計8時間を切る位で,どこかで2泊程度すると,ゆったりと旅ができます*14。そして,沿線のどこで降りても,その間の特急券は,上越妙高まで全部半額です。
乗車券の表示のように,博多→上越妙高の運賃は12960円のところ,半額の6480円*15。その部分だけで,優待券の市場価格を上回る割引です。
それに加えて,のぞみ,サンダーバード,かがやきの上越妙高までの特急券が,すべて半額。普通車でも割引額は1万円超。JR西日本の株主優待の利用法としては,乗車時間に対する割引額が最大のものです。
境界駅・上越妙高はJR東日本の駅なのに注意
なお,東京からは,この逆コース・東京→北陸→京都→大阪→博多を考えたくなるところ。しかし,北陸新幹線のJR東日本・西日本の境界駅・上越妙高駅はJR東日本の管理駅で,JR西日本の窓口がありません。
JR西日本の株主優待の発券は,北陸新幹線では次の糸魚川まで行って,はじめてできます。そして糸魚川駅は東京から最短のJR西日本の窓口です。
首都圏在住で事前に北陸や関西に行く機会がないなら,福岡に行った帰りが,実行のチャンスになります。もし,事前に北陸や関西に行く機会があれば,そこで,後日利用する東京→北陸→博多の乗車券と特急券を買っておく手もあります。
*1:この境界は,新幹線開業前の在来線である,信越本線と北陸本線の分岐駅・直江津(新潟県上越市)に対応するものです。信越本線は全線がJR東日本,北陸本線は全線がJR西日本でした。
*2:乗務員は,全列車が停車する長野で交代しています。
*3:指定席のみを示した券という意味で,指ノミ券と呼ばれます。指ノミ券には金額の表示がないように,その区間の特急券などとあわせて,はじめて有効です。
*4:変更時に,変更先の列車のトクだ値が新規に発売されている場合だけ,トクだ値の料金が継続適用されます。
たとえば,当日になって,早い列車や遅い列車へ変更すると,そのトクだ値の発売がすでに終わっているため,無割引の特急料金との差額が徴収されます。
つまり,当日の別の列車への変更は可能ですが,結果的に無割引になります。
*5:e早特1は,変更不可です。
WEB早特1は,変更時に,変更先の列車のWEB早特1が新規に発売されている場合だけ,その割引料金が継続適用されます。それ以外は,無割引の運賃・料金との差額が徴収されます。この場合,J-WESTカード会員なら,当日でも発売されているeきっぷとの差額で済みます。
そこで,WEB早特1では乗車当日の変更はできるものの,当初の割引はなくなる仕組みです。
*6:株主優待利用の乗車券・特急券の変更は,購入と同様に,発行会社だけという説明がされています。
ただし,個人的な経験では,東京ー金沢のかがやきの特急券で,JR西日本の株主優待を上越妙高以西に適用したものについて,指ノミ券部分を同日別列車へ変更することが,JR東日本の窓口でできたことがあります。これは,変更後も同額で,変更で金銭の収受が発生しないという条件です。
実は,クレジットカードで購入した通常の特急券も,同額となる変更で,追加の金銭の収受がないなら,JR他社でも変更できることがあります。それと同じ措置と思われます。
*7:東京・大宮→金沢へは,JR東日本のツアー(宿泊付と日帰り)があります。ネットで前日18時までの購入と,乗車前に券売機で受取れるもので,割引きっぷと同様の利便性です。
このツアーでは,片道あたり普通席プラス3800円(時期により変動)で,グリーン席を利用できます。逆方向の,金沢→大宮・東京では,発駅のJR西日本に,ネット購入と券売機受取りができるようなツアーがありません。旅行会社のツアーの一部にグリーン席も選べる商品がありますが,券売機での受取りができないため,購入期限が前倒しになります。
*8:これは,新幹線の特急料金を通しで計算できる条件と同じです。
新幹線では,東海道・山陽時代から,各停タイプしか止まらない駅から,途中駅で速達タイプへ乗り継いでも高額にならないように,複数列車でも通しで特急料金が計算されています。
その趣旨からして,適用されるのは,同じ方向に進む乗り継ぎだけです。たとえば,仙台で,停車駅の多い「やまびこ」と,速達型の「はやぶさ」を乗り継ぐ場合などです。
しかし,大宮で「はやぶさ」と「かがやき」を乗り継ぐ場合は,進路が別方向となり,速達型通過駅を発着する乗客を救済するこの制度の趣旨から外れます。そこで,特急券も通しの計算ができず,株主優待も同時に適用はされません。
*9:モバイルSuica特急券は,1つの端末に,1枚の特急券の受取しかできません。その特急券を,新幹線改札の入場から出場までで使用する仕組みです。
そのため,新幹線を大宮で乗り換える場合,次に乗る新幹線の特急券を端末に受取るには,そこまで乗った特急券を使い終えるために,大宮駅の新幹線乗り換え改札を一度出場する必要があります。
そして,スマホで次に乗る特急券を受取る操作をした後,同じ改札をもう一度入場することになります。
*10:モバイルSiuca特急券は,特急券と乗車券が一体となっていて,この経路では,仙台―大宮と大宮―金沢の2区間に分けた発売です。すると,乗車券相当額は大宮で分断されてしまい,通しで買える通常の乗車券に仕組まれている遠距離逓減制の恩恵を,あまり受けられません。高くなるのは,この分断のためです。
*11:購入には,JR西日本のJ-WESTカードが必要です。発券は,大宮駅の新幹線乗り換え改札外側の指定席券売機でできます。そこで,大宮駅で新幹線を乗り換えるとき,乗り換え改札をいったん在来線側に出る時間の余裕が必要です。
*12:乗継割引と株主優待割引の重複適用は不可のため,株主優待だけが適用され,5割引となります。結果的に,乗継割引適用時と同額です。
しかし,乗継割引にはある同日乗り継ぎの制約がなくなるため,大阪で宿泊できるようになります。新大阪下車後,新快速で京都まで行けば,この料金のままで京都宿泊も可能です。
*13:JR西日本は,博多駅の先の博多総合車両所に隣接して博多南駅を設けています。そのため,JR西日本の株主優待が適用できる最長経路は,博多南からです。なお,JR西日本の最北端駅は,金沢から能登半島へ特急で約1時間,名旅館が集まる和倉温泉。最南端駅は,新大阪から紀伊半島へ特急で約3時間半進んだ,串本です。
*14:ルート上で宿泊する際の注意点は,当然ながら,乗車券の有効期間内に収めることです。その際,上越妙高出発日(通過も可)に応じて,2枚目の乗車券の利用開始日をずらして購入できす。
*15:なお,長距離の乗車券なら,東京都区内→のように,福岡市内→となるはずが,博多→となっています。これが,JR西日本の株主優待利用の特徴です。JR西日本エリアは,山陽新幹線の博多駅と,その延長の博多南線だけで,その他の福岡市内駅はJR九州エリアだからです。