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北陸新幹線で行く,はじめての金沢

お庭,お菓子,お魚,お酒が揃う城下町をまわるため,金沢出身・東京在住者が往復しながらヒントを書いていきます。

金沢のお店でGoogleインドアビューが増加中:料亭,茶屋街,河畔のジャズバーなど

食事・カフェ

金沢のお店でも,Googleインドアビューが増えています。このブログも,店のしつらえを調べる検索があるので,印象的なところを並べてみます。

ミシュラン2つ星の料亭

金沢の老舗料亭・銭屋のインドアビュー。

現在インドアビューが見られるお店では,金沢でもっとも高質で,ミシュラン2つ星。入口よりにカウンター席もあるので,少人数でも可がありがたいところ。

ひがし茶屋街の出店といえる十月亭じゅうがつやにも,カウンターがあって,昼はお弁当からあります。また,こちら出身で十月亭の料理長を経て独立された小松さんも,2つ星です。

老舗の居酒屋

居酒屋から一軒なら,1964年(昭和39年)創業と,歴史の古いあまつぼさん。

黒板に書かれたその日の一品料理に,かに面や鱈の白子の揚出し,鴨の治部煮などがあるのが,金沢の居酒屋です。かに面は,かにの甲羅にかにの身などを盛り込んだ,おでん種で,店により盛り付けが変わります。

このお店の発祥は,地場のデパート・大和本店が入る香林坊アトリオの位置。その建物が1980年代に市街地再開発で建設されるとき,なくなった路地のところにお店がありました。その路地は,現在のグッチ金沢店のあたりから赤煉瓦の四高記念文化交流館へ抜けるものです。大和の定休日でも,昼間は公道のように通り抜けできるのは,昔の路地の名残りです。

あまつぼはそこの地権者だったはずで,完成した香林坊大和のレストランフロアを経て,結局この地に移転。繁華街が再開発される前からすでに店があって,今も続いていることは,栄枯盛衰のある居酒屋の中でも安心できます。新幹線開業後には,増えた観光客向けに近江町市場のエムザぐち近くに近江町店を開店していて,そちらもインドアビューが見られます。

この柿木畠店は,すぐ近くにある観光客にも知名度の高い居酒屋割烹とも競合しますが,こちらの方が地元客の割合が高い印象。ランチを和食に限らない定食スタイルで提供しているのも,地元客向けに長続きできる売り方です。

お茶屋がカウンターを設けると

にし茶屋街で,内装をリノベートした飲食店として営業されるもので,光駒さんです。

座敷を掘りごたつ式のカウンターにして,対面を芸妓さんが踊ることのできる,小舞台にしたもの。向う側が,割烹や鮨店のような付け場でないのが面白いところで,こういう造りは繁華街・片町の路地にある貴久美さんなどでも。

さらに,奥に坪庭,そこに灯籠を配しています。インドアビューを進めると,奥の蔵が個室として利用されていることもわかります。

茶屋建築を現代の飲食店に改めた造りは,お茶屋に置屋とお座敷の2つの機能のあった金沢ならではの進化。全国的には,置屋の業務は芸妓さんの「人材派遣」だけで,そこに飲食をともなうお座敷の機能がなかったのが普通です*1。お座敷という物件があったのが,茶屋街がここまで維持された経営上の要因*2

もっとも,旧来の茶屋で出される料理は,料亭などからの仕出しで,茶屋は料亭と共存共栄でした。宴席が減少した現代では,お店自体がカフェやレストラン,バーに転換で飲食業を自前でこなすようになり,「人材派遣」の部分は外注と,興味深い変遷です。

なお,お座敷で太鼓を2つ使うのも金沢独特。使い方は,別の茶屋街・主計町かずえまちで撮影された動画でわかります。

上の動画は主計町茶屋街の芸妓さんで,その並び,浅野川沿いの料亭みふくで撮影されています。

犀川沿いのダイニングバー

こちらは繁華街から離れた犀川沿いにあるダイニングバー・玉響たまゆら

近くの坂の上の方から,川岸へ移転してきたもので,道を挟むものの,カウンター越しのガードレールの向こうが犀川。料亭・金茶寮と結婚式場・辻家庭園のすぐ下に当たる閑静な住宅街です。

金沢駅や繁華街の香林坊・片町からは,夜はバスが少なく,タクシーが現実的な場所。それでも,移転前の店で,口コミサイトの評価が集まる前から,全国を食べ歩くさとなお氏のサイトで紹介されたため,大都市からの来訪者も増加。移転後も,内装と料理ともに,こういう凝ったスタイルです。

繁華街・片町で犀川河畔のジャズバー

同じ犀川河畔ですが,こちらは繁華街・片町。香林坊あたりのホテルからも歩ける場所にあるジャズバー・リバーサイド

どういう立地かと思いますが,ふつうに飲食店が入るビルの7階。犀川河畔に建っているため,店の奥のドアを開けた外のバルコニーにある席が,この風景です。席数は室内の方が多数で,室内のカウンターからも,ボトルなどが並ぶものの,窓越しがこの方向になります。

インドアビュー正面が南西で,日没すぐと思われる遠い水平線の上が,わずかに紫に霞みます。「暮れなずむ」とはこういう色と思われ,お店のインドアビューでは,金沢でもっとも印象的なものの一つです。

もちろん,景色だけでなく,金沢でジャズの生演奏のある数少ない店のため,店内全般に賑わっている人気店。なお,外の席は,季節と天候により状況が変わることにご注意を。

川沿いに飲食店街ができるのは,古い街の共通点かな

ところで,最後のジャズバーは,最初の料亭と同じ一方通行路で,徒歩3分の距離でした。ということで,料理を楽しんだ後のお酒も,古い繁華街・片町では徒歩圏で完結します。それも,犀川の片側にできた町なので,片町という名前です。また,ひがし茶屋街や主計町茶屋街は,浅野川近くです。

それで,大きな駅の回りに飲食店が集まる前からあった繁華街は,だいたいが川の近くではと思い直しているところ。金沢より規模はずっと大きいですが,京都の鴨川・高瀬川,大阪の堂島川・道頓堀川,福岡の那珂川・博多川,いずれもお酒を飲んだ後の川の風景が記憶に残ります。

川が人を隔て,川岸にとどまった人が食と酒を求めて店が集まる構図は,日本の古い街に同様かもしれません。

*1:現在の法律では,芸妓さんは派遣労働者ではなく,個人事業主で,茶屋は労働者派遣業者ではありません。タレントとプロダクションやプロスポーツ選手とチームの関係と同じです。

*2:物理的な要因として,太平洋戦争の空襲を受けていないことがあります。