北陸新幹線で行く,はじめての金沢

お庭,お菓子,お魚,お酒が揃う城下町をまわるため,金沢出身・東京在住者が往復しながらヒントを書いていきます。

ひがし茶屋街にとうとう出店した金沢最大の酒蔵・福光屋の直営店

ひがし茶屋街に,お菓子やカフェ,金箔など工芸品の出店が集積した中で,観光用に意外と手薄だったのは,お酒そのものでした。夜は,お酒の飲める店がいくつもあるのですが。

ようやく今年5月15日に,金沢市最大の酒造会社・福光屋が開店したのが「福光屋ひがし」です。

これまでは,茶屋街で多様なお酒が選べて,その場で飲めるお店というと,金箔メーカー・箔一が酒販店・井なみ屋と出した「ひがしやま酒楽」だけだったのですが,これに酒造メーカーの出店が加わった格好。両店間は徒歩1分の近さで,下の記事のマップに入れました。夜に期待できるバーもいくつか,下のマップに載せています。

純米蔵のポリシーをもつ幅広い品揃えのお蔵

福光屋は,昔からの福正宗のほか,より上位の黒帯,加賀鳶ブランドを擁していて,銘柄ごとの特性をはっきりさせているお蔵。地方の蔵としては規模が大きく,金沢市外の加賀・能登に吟醸酒に特化した有力なお蔵がある石川県全体としても,出荷数量ベースでは実質トップなのでしょう。

特徴的なのは,2001年からすべての日本酒でアルコール添加をやめ,純米酒宣言をしたこと。純米酒しか造らないポリシーは,石高1万石以上の蔵(東京だと,より見かける宮城の一ノ蔵あたりが,福光屋と同規模です)では,今でも日本で唯一といいます。後で飲む試飲セットのように,純米酒だけで,旨味と酸味と香りを違えた酒をきちんと揃えられることの実証です。

茶屋建築の店内には,販売のほかカウンターバーが

場所は,ひがし茶屋街のメインストリートの右側で,懐華楼の左隣。写真のような茶屋建築です。内部はリノベートされていますが,全国の酒造会社の店舗でも,最古の建築の一つになるのでしょう。

金沢最大の酒蔵・福光屋のひがし茶屋街の茶屋をリノベートした出店

出格子に面したところに,販売される福光屋のお酒とその他お菓子類が並んでいて,奥にバー・カウンターがつながります。さらに奥に,数人が入れる個室があります。おみやげなどに商品や各種グッズの購入だけでも,バー利用だけでも可能です。

バーカウンターから外の通りを眺めるとこういう感じで,通りがよく見えます。

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バーカウンターの方は,後に載せるようなメニュー。酒蔵の直営店ぐらいでしか試せない,同酒蔵異銘柄の試飲セットを頼んでみます。

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銘柄は,加賀鳶の純米大吟醸,山廃純米と黒帯特別純米で,おつまみがついて1200円。街中でも納得できる価格です。こうやって比べると,酸味と旨味と香りの微妙な違いがわかってくる感じ。完全に好みの問題ですが,山廃純米が旨味があるわりにすっきりしていて,バランスが取れているように感じました。

あとは合わせる料理で最適な銘柄は変わるわけで,単体でどれがおいしいかという話は,このクラスになるとあまり意味がないですね。当然,肉や脂っこい料理には,ある程度酸味があった方がおいしいとか,白身の刺身とか薄味の和食などには,酸味が控えめな方がよいとか,そういう合わせ方だと思います。

日本酒バーなのにソフトクリームもある

で,こちらの珍しいところは,福光屋の主要銘柄以外に,スイーツがあるところ。ソフトクリームを始めたのは,金沢の本店ではなく,東京の玉川高島屋の直営店からですが,こういう観光スポットこそ,はまりそうです。

酒粕を練り込んだソフトクリームに三温生姜かけ

こちらは酒蔵らしく,自前の酒粕を配合したソフトクリームで,上から掛けるものを黒みりんか三温生姜か選べます。写真は三温生姜。ソフトクリーム自体は甘いながらも,ふつうとは少し違うコク。そこに,生姜のわずかな辛味が加わる味わい。一方,長く熟成したみりんは,こちらの商品です。

こういう注文をすると,ソフトは後ほどにしますかと,いったんは聞かれるんですが,構わず一緒に出してもらって,ソフトをなめつつ日本酒を(笑)。

基本,甘党の日本酒好きなので,甘い物と日本酒は一緒にいけるんですよ,これ。どちらも甘いからではないかと思うのですが,いかがでしょう。アイスとお酒の組み合わせは,意外とおいしいですよ。

再訪時は,甘酒いちごフロートを。こちらも,独特のこくがありますが,ノンアルコール。奥の箱は,このときはあった,福光屋のみりんを使った吉はし製の塩どら焼きの通箱でした。

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お酒を飲まなくても楽しめるメニュー

茶屋街では景観に関する条例もあって,どのお店も外に大きなメニュー類を出すのを控えています。中のメニューを載せておくと,下のようです。お酒は,福光屋の主要銘柄を,常温と冷酒どちらかを選べます。そこは酒蔵の気遣いでしょう。

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おつまみは写真のように,ちょっと変わった乾き物系。本格的な料理がないのは,カウンターの設備と,飲食店との競合を考えてのことでしょう。なにしろこちらは,メーカーですので,地元の料理屋さんは最大のお客さんです。

お酒以外でも,上で挙げた酒粕を使ったソフトクリームの他,ソフトドリンクと簡単なお菓子もありますね。

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こちらは,再々訪時の赤酢ザクロジュース。

赤酢ザクロジュースと初夏の利き酒とともに

日本酒バーでお菓子やアイスがあるのも,金沢の酒蔵ならでは。ということで,お酒を飲まない人(車の運転を含む)と一緒の旅行でも,手軽に楽しめそうなお店でした。

外で食べないのが茶屋街のルール

茶屋街のお店全般に,景観保全のため,ソフトクリームなどのテイクアウトは禁じられています。ぜひ,それぞれの店内で。

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