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北陸新幹線で行く,はじめての金沢

お庭,お菓子,お魚,お酒が揃う城下町をまわるため,金沢出身・東京在住者が往復しながらヒントを書いていきます。

東京から福井往復は,東京→米原→福井→金沢→東京と一周すると安くなる

金沢までの交通

ご注意:以下の比較は,東京から福井往復の話です。福井から東京往復では,J-WESTカード会員でeきっぷを買える場合には下の一周ルートが,それ以外は(発売のない最混雑期を除いて)後述する東京往復割引きっぷが最安です。

ルートが増えた福井へはどう買うと安いのか

北陸新幹線が金沢まで開業し,福井へは東海道新幹線米原乗り換え北陸新幹線金沢乗り換えが選べるようになりました。位置関係は図の通りで,その料金の比較と割引運賃の紹介です。

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片道なら東海道経由が最速・最安だが

東京から福井間の片道を誰でも駅で買えるきっぷで比べると,今まで通り東海道新幹線米原乗り換えが最速・最安です。この区間の距離では乗車券に往復割引はなく(適用は601km以上),単純な往復では倍額になるだけ*1。各種乗り換え案内サイトでは,その答です。

しかし,片道東海道新幹線,片道北陸新幹線と一周するルートはさらに安く,以下のようです。東京から福井往復で最安なのは一周ルートです。

東京・福井間の運賃・料金(誰でも買えるものの通常期:円)*2
東京・福井の経路
乗換込みの所要時間例
乗車券特急券往復合計
東海道新幹線・米原経由
(3時間26分, 545.8km)
(片道)
8750
(片道)
5910
29320
(29100)*3
北陸新幹線・金沢経由
(3時間30分, 527.2km)
(片道)
8420
(片道)
7630
32100
東京→米原→福井
→金沢→東京(1073km)
12960 13540 26500

ポイントは,黄色の部分が上2つの合計よりも,4千円以上安くなることです。

会員限定割引なら北陸が安くなるが,それでも最安は一周ルート

以下のような会員限定の割引もありますが,一周が最安なことは変わりません。

東京・福井間の会員限定の運賃・料金(通常期:円)
経路と会員・きっぷの種類乗車券特急券往復合計
東海道新幹線・米原経由
エクスプレス予約e特急券*4
(片道)
8750
(片道)
5770
29040
(28820)*5
北陸新幹線・金沢経由(下3つの比較ページ
J-WESTカード会員eきっぷ (片道)
8420
(片道)
6730
30300
e5489会員WEB早特1 (片道)14520 29040
J-WESTカード会員e早特1 (片道)13640 27280
東京→米原→福井→金沢→東京(逆回りも基本的に同額)
エクスプレス予約e特急券 12960 13400 26360
J-WESTカード会員eきっぷ 12960 12640 25600
上の両会員*6 12960 11980 24940

J-WESTカードはJR西日本のクレジットカードで,事前の加入が必要。e5489はネットですぐ登録できますが,前日23時まで購入の早特1には,決済に自分のクレジットカードが必要です。エクスプレス予約は,利用者が最も多い,東海道・山陽新幹線の割引会員制度です。

乗車券は長距離ほど割安で,一周ルートが得に

JRの乗車券には,遠距離になるほど1kmあたりの運賃が安くなる遠距離逓減制が仕組まれています。そこで,乗車券を長い距離で作れるほど,割安になります。

1枚の乗車券を作れるのは,一度通った駅をもう一度通るところまで。すると,交わらず一周する乗車券は,1枚にできます*7。上の一周するコースの乗車券は,東京都区内発,米原福井金沢経由東京都区内行の1枚になり,下の写真のようです。

東京都区内発・米原・福井・金沢経由東京都区内着の乗車券

この一周の乗車券は7日間有効で,(東京都区内以外では)途中下車可能なもの。そこで,福井でも金沢でも途中下車でき,所用のほか観光や食事も,都合のよい所でできます。

これに加えて,乗る特急ごとに特急券が必要です。このルートは,金沢で新幹線と在来線に分断されているので,福井の他に金沢で途中下車しても,金沢・福井の特急券に乗り継ぎ割引が適用できる条件内(新幹線→在来線は当日限り,在来線→新幹線は翌日まで)*8では,上の表の価格。乗り継ぐ特急券のペアは,同時に購入する必要があります*9

乗換案内アプリ等では一周の方が安くなることがわからない

行きと異なるルートで帰りを考えると安くなることは,各種乗り換え案内アプリなどの料金最安計算のアルゴリズムに含まれていません。発着駅と経路ごとの判定条件が,複雑すぎるからです。一周するようなルートで,実用的なダイヤのある地域をねらって,個別に発見するしかないです。

米原で新幹線に乗るか降りるかなら,降りる方が楽

逆回りでも,乗車券は1枚にでき同じ金額で,特急券も乗り継ぎ割引が適用できる限り同額です。ダイヤで選べばよいですが,どちらかといえば東海道先回り・北陸後回りをおすすめします。理由は,東海道新幹線よりも北陸新幹線の方が空いていて,乗り換える金沢が始発だからです。

金沢から乗る北陸新幹線は,大型連休や帰省のピーク時でなければ指定席もとりやすいです。また,520円安く済ませるなら,自由席のある「はくたか」があり,時間は30分ほど長くなりますが,始発ですのでまず座れます*10。一方,米原から乗る東京行「ひかり」は新大阪始発で,指定席は,金土休日を中心に満席のことがあり,自由席では空席を探すのが面倒です*11

慣れないうちの購入は窓口で経路をすべて話せばOK

一周になる乗車券は,指定席券売機での発券には工夫が必要で,どう工夫しても窓口へ誘導される区間もあります。慣れないうちは,みどりの窓口や旅行会社での購入をおすすめします。

窓口では,乗る経路をすべて伝えて,「乗車券は一周する一枚になりますよね」と念を押せば十分。経路や列車名は長くなるので,メモを見せた方が早いです。面倒な場合は,よくある乗車券の画像をプリントして,これを買いたい,列車はこれ,でよいです。回る向きと乗車日には注意を。

乗る列車が決まっていないときは,一周する乗車券だけを先に買って,特急券は後で券売機や窓口で買うこともできます。特急券に,各種ネット割引を適用したい場合(エクスプレス予約のe特急券やJR西日本のeきっぷ等)もそれでよいです。もちろん,その窓口で発券できるネット割引の特急券などの場合は,このとき同時にもらってもよいです。ただし,乗車券と特急券一体の割引(東海道のEX-IC等)とは併用できません。それよりも一周乗車券が安くなります。

一周経路の一部だけ乗車券を買ってしまうと割高に

予習がなく,東京から福井までの列車だけを言って購入すると,窓口氏もその先の行程がわからないので,通常の東京都区内から福井までの片道の乗車券・特急券を出して終わりです。もちろん,その場で求めるものと違うことを伝えれば,希望の乗車券に変えてくれます。

後日,一周する乗車券の方が安いことに気付いた場合,乗車券は乗車前には1回限り無手数料で,別の乗車券に変更ができます。窓口で,東京都区内から福井までの乗車券を出して,一周する乗車券に変更を頼めばよいです。差額が無手数料で精算され,損はしません*12。(無割引ですが)往復乗車券の形式になっている場合は,(ゆき・かえり)2枚を1組とみなし,一周する乗車券1枚に変更できます*13

指定席券売機やえきねっとでの購入には一工夫

券売機やえきねっとの仕様がわかってくると,一周乗車券を以下のように,券売機やネットでも購入できるようになります。

トラップは,指定席券売機やえきねっとの場合,発駅と着駅が同じ経路は,誤入力や誤用の防止のためか,窓口への誘導エラー表示になることです。

それを回避する工夫として,乗車券だけ別の購入とし,発駅と着駅が同一都市内で別の駅になるように入力します。すると,所望の経路で発券されます。

たとえば,発駅を東京でなく近隣駅・新橋とし,新橋→品川→東海道新幹線(ひかり)→米原→北陸本線(しらさぎ)→金沢→北陸新幹線(かがやき)→東京,と入力します。なお,福井でしらさぎを降りる,と入力してしまうと,4列車以上の乗車券となり,また窓口誘導となります。

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この経路は201km以上なので,発着駅の新橋や東京が東京都区内に置き換えられ,東京都区内発,米原・金沢経由東京都区内着で12960円の乗車券が発券されます。先の写真のもので,念のため再掲します。

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東京・品川間は運賃計算上,新幹線が在来線と同一の線区の扱いで,この乗車券で,東京からでも品川からでも東海道新幹線に乗れます。もちろん,特急券では,東京と品川は区別されますので,ご注意を。これで,システムのお節介を回避できたことになります。

発着の都区内または市内駅で,お節介を回避するダミーの発着駅を工夫できないところでは,券売機やネットでの購入は望み薄で,窓口に並ぶしかなさそうです*14

えきねっとでの入力例は,

東京から京都や大阪往復での一周乗車券の記事のえきねっとでの発券の部分

と同様です。新橋発東京行で米原・金沢経由などと入力してください。

福井方面への一周は,一周から飛び出して重複乗車となる区間がなく,その記事にある山科以西の面倒な話がないので楽です。

福井から東京往復では東海道経由の割引きっぷが存在

福井からの東京往復では,J-WESTカードでエクスプレス予約もできる会員ならば,会員専用のe特急券とeきっぷをすべて適用することで,上の一周ルートが最安になります。会員限定の割引きっぷの表の最下行です。

それ以外の一般向けには,福井周辺からの東京往復用に,米原経由の割引きっぷが売られています。それは,東京往復割引きっぷで,上の単純往復の乗車券・特急券をかなり割引いた25590円です。ゴールデン・ウイークやお盆と年末年始の帰省ラッシュ時を除いた販売。東海道・北陸と一周して遠距離逓減効果を受けてこの価格を下回るのは,J-WESTカード会員でeきっぷを買えるときに限られます。エクスプレス予約やえきねっとだけでは無理です。

逆方向の首都圏発は発売なし

なお,福井からの東京往復割引きっぷ相当のものは,首都圏発の米原経由福井方面では発売されていません。福井周辺発を発売できるのはJR西日本,東京・新横浜発を発売できるのはJR東海で,両社の考え方の差です。一方だけで発売される理由は,このルートでの割引が,自社路線(北陸本線か東海道新幹線か)の収益をどの程度高めるか,判断の違いによるものでしょう。

羽田・小松便も新幹線に連れて大幅値下げ

ところで,東京・福井間の出張だと,羽田・小松便を使える企業も多そうです。たとえば,出張でも使えそうな,前日まで購入できる全日空の特割では,便によって多少変わるものの平日13190円程度。空港アクセスの交通費が加わりますが,時間短縮のメリットを考えると,競争としてはいいところを突いています。

この特割,北陸新幹線開業以前は17000円前後の水準で,驚くほどの値下げ。よく,福井には北陸新幹線開業の効果はまだあまりないと言われますが,一つだけ確実に見える効果はありました。それは,羽田・小松便を大幅に割引させたこと。飛行機なら,新幹線開業前に比べて,往復で8千円ほどの値下げですから,出張費用の削減にじわりと効いてくると思います。

50歳以上の会員限定割引きっぷ22000円は別記事に

JR東日本と西日本それぞれに,50歳以上が入れる割引会員,大人の休日倶楽部とおとなびがあります。その会員限定で,オフピーク期間だけに発売される北陸フリーきっぷ,首都圏往復フリーきっぷもあります。

東京発の北陸フリーきっぷは,東京から金沢までの北陸新幹線往復(普通車指定席)と,金沢から福井を含むフリー区間の特急の自由席を含んで22000円。金沢から福井が自由席でよければ,これだけで東京から福井まで行けます。

金沢から福井までの特急は,金沢始発で毎時2~3本ほど。逆方向も大阪・名古屋・米原始発の特急から福井下車がごっそりあって,空席ができる区間です。週末の特定時間や大型連休,帰省期間でなければ,ほぼ座れます。

この価格,一周ルートの工夫も大きく下回り,航空機もかなり前の購入でないとかないません。気が向けば金沢,高岡,富山,和倉温泉などフリー区間各所で,何度も途中下車でき,その間も特急自由席で移動できます。

一方,北陸からの首都圏往復フリーきっぷは,福井発がなく,加賀温泉発が23000円で,そこから金沢まで在来線特急の自由席が使えます。福井・加賀温泉間は乗車券580円,自由席特急券750円ですから,往復分追加すると25660円で,先述の東京往復割引きっぷを上回ってしまいます。福井発では,東京周辺のフリーエリア(鎌倉や高尾などもカバー)をある程度乗る場合だけ,買う価値があります。

その詳細は,別記事としました。

*1:詰めるなら,次のような工夫の余地はあります。往復割引(1割引)の適用を受けるために,601km以上になるまで乗車区間を延ばした方が,かえって安くなるのでは,という昔からのアイディアです。東京都区内→米原→福井の乗車券は545.8kmで8750円,往復で17500円。601km以上に伸ばすため,東京都区内→米原→福井→小舞子・金沢間各駅とすると,602.9kmから622.5kmで9610円。往復割引で17280円となり,往復では220円安くなります。福井から先は,乗らずに捨ててもです。よく紹介される,東京都区内→大阪市内(片道8750円・往復17500円)を,東京都区内→明石や東京都区内→和歌山(片道9610円・往復17280円)にした方が安くなる現象と,金額まで同じです。

*2:繁忙期・閑散期も大小関係は不変です。

*3:乗車券に往復割引を適用させるため,東京都区内→米原→福井→金沢などと601km以上に延長して,福井から先を捨てる時。

*4:東海道新幹線をe特急券にすると,米原・福井の特急に乗り継ぎ割引が適用できませんが,それでもわずかに有利です。一方,東海道新幹線だけの乗車なら最安のEX-ICでは特急券と乗車券がセットのため,福井まで乗る場合は米原・福井間の乗車券を別に買うことになり,不利です。

*5:乗車券に往復割引を適用させるため,東京都区内→米原→福井→金沢などと601km以上に延長して,福井から先を捨てる時。

*6:特急券の内訳は,東京米原エクスプレス予約e特急券4070円,米原福井eきっぷ(乗り継ぎ割引適用不可)1180円,福井金沢eきっぷ(乗り継ぎ割引)590円,金沢東京eきっぷ6140円です。

*7:このルールによって,6の字状の乗車券は作れますが,書き順通りの9の字状は作れません。関西から東海道・北陸を回るルートを考えると,そのことが問題になります。

*8:福井→金沢の特急に乗った翌日までに,金沢から北陸新幹線に乗る必要があります。逆回りでは,新幹線を金沢で降りた当日中に金沢→福井の特急に乗る場合だけです。

*9:乗車券は別に買っておいてもよいです。ルール上は,乗り継ぎ割引となる特急券を窓口で購入する時には,乗車券もあわせて買うか,その区間に有効な乗車券を提示する必要があります(旅客営業規則第57条の2第3号)。ただし,対面でない指定席券売機で,特急券の購入や,ネット購入分の発券ができるようになった現在では,この規定は厳格には守られていません。

*10:かがやきは全車指定で自由席がありません。自由席特急券で間違って乗ると,指定席との差額分(通常期で520円)が追加徴収されます。現在のシステムでは,車掌の端末に通信機能があり,自動改札に入場記録のない席に誰かが座っている場合に車内改札が行われ,そのことがわかります。

*11:新幹線の自由席が最後に埋まるのは,3人掛けの真ん中席です。途中駅乗車では,空席のようでもトイレに行っているだけかわかりにくく,さらに通路側の客が寝ていたりすると,声をかけにくいものです。結果として,真ん中席が空席のまま放置されるのをよく見ます。

*12:実は,乗車後でも乗車券の変更は無手数料で,それがよくある乗り越し精算の位置づけです。ただし,変更前の乗車券が100km超のもので乗り越すと,(差額精算ではなく)乗り越した区間を別に購入した場合の金額が徴収されるルールです。それで,福井に着いてから,その先同じ方向を進んで東京まで乗り越そうとすると,結局,東海道経由と北陸経由の片道乗車券を1枚づつ買った金額を求められ,運賃の遠距離逓減の効果は得られません。この変更は,面倒でも乗車前に済ませる必要があります。

*13:行き帰り別の乗車券2枚を買ってしまった場合は,1枚が変更の対象にならず余ります。余った1枚は,窓口に出向いた時点で発売されている,1か月先までに乗る任意の区間(新宿→渋谷等JR線ならどこでも可)に変更して使うのが得。払戻しなら手数料が220円です。

*14:工夫ができないは,都市制度がない地域の駅が発着の場合(大宮,高崎など)や,このループの外が発駅になる,6の字状の経路の場合,また周回経路上の都市でも,京都市内のように周回経路の駅(山科)が市内駅の端で1駅だけの場合です。