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北陸新幹線で行く,はじめての金沢

お庭,お菓子,お魚,お酒が揃う城下町をまわるため,金沢出身・東京在住者が往復しながらヒントを書いていきます。

北陸の魚介類を活かしきる懐石料理店,つる幸

食事・カフェ

いまや全国でも高評価の料亭となったつる幸さん。それでもなお,お座敷だけでなくテーブル席があって,昼でも個人客にも対応しているのは,ありがたいところ。

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関西で修行された凝ったお料理が,北陸独特の海の幸に活かされます。加えて,金沢駅兼六園口(東口)から香林坊方面へのバスで2つ目,武蔵ヶ辻下車徒歩5分もあれば着く好立地。近江町市場も徒歩圏です。

先付は,お赤飯の飯蒸しにキャビアを載せて。沈金の漆器でもてなされます。

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お酒は手取川大吟醸あらばしり。絞らないので,まったく雑味や苦味を感じないままのほのかな甘さで,魚介の繊細な味を引き立てます。だしもそうですが,お酒も絞らないほどおいしいです。

そして,暖かい蒸し蟹。同じ蟹のもてなし方でも懐石料理の一品なのは,かにの爪の部分を,殻だけ削いで,そのまま食べられるように仕立ててあるところ。器も九谷。この瞬間に,日本海に面した北陸に来た価値を感じます。

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八寸も当地独特の食材に意外性を。

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特徴は,蟹の茶碗蒸しに,冷たい蟹味噌を上のせした品。写真は写りのよかった別日のものです。

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中の暖かい蟹の身とだし汁に,次第に暖かくなってくる蟹みそが融けていき,うまくからまります。

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真ん中には,甘海老をこのわた(なまこの腸の塩辛)で和えたもの。ねっとり甘く,さらに独特のこくがあります。

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その左下は,意外にも,フルーツのラ・フランスの白和え。透明な円柱状の一品は,フォアグラにマンゴーを添えて,煮こごり仕立てにしたもの。

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こちらは別日ですが,ずわいがにの雌,香箱蟹。漁期が,年によって少し違うものの,概ね11月初めから年末年始までと限られるため,その時期にしか食べられません。

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盛り付けられている身を食べていくと,鮮やかなオレンジ色の内子(未成熟卵)と,やや茶色がかった外子(受精卵)が,中から現れます。濃厚な内子としゃりしゃりの外子の対比が,雌の蟹である香箱かにの醍醐味。身を削いで整えられているのは,懐石料理店ならでは。

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そして,すっぽんのお吸物。北陸ではあまり使われない食材であるすっぽんの一品が入るところが,関西の趣向を感じるところ。冴えるだしに,独特の歯ごたえ。

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お造りは,鰤の腹身に甘えび,あおりいかの明太子添え,当地独特のばい貝,さより,鯛など。細かな包丁など丁寧な細工のあるものを,お醤油の他,梅肉醤油で。

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鰤の焼き物を海老芋と白子のソースで。北陸の冬の定番,鰤の脂身を,白子のこくが包みます。お皿は,こちらも当地の大樋焼。

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能登牛のステーキに,うにと黒豆,海老を添えたものを,この時期,林檎をまるごとくりぬいた釜で。九谷焼の青郊窯に,小皿も上出長右衛門窯と,器も石川の料理店の現代の定番です。

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金沢に長く続くごり料理で一品。ごりの素揚げを甘酢あんかけにしたもの。なまこのみぞれ和えを,別の器で。

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そして,香箱蟹の炊き込みご飯。内子と外子がうまい割合で混ぜられていて,内子のこくと外子の食感が楽しめる頃合い。

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水菓子の他に,

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最後に上生菓子とお抹茶が合わせられます。こちらは別日のもので。

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色鮮やかで,細工の映えるきんとんです。

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北陸独特の魚介類に,意外性もある料理法が,お鮨だけではない金沢の懐石料理の魅力。北陸に再訪する動機は,ほとんど食だと思わせるお料理で,ごちそうさまでした。