北陸新幹線で行く,はじめての金沢

お庭,お菓子,お魚,お酒が揃う城下町をまわるため,金沢出身・東京在住者が往復しながらヒントを書いていきます。

金沢のバスで使えるカード類:北陸鉄道は独自のICaだけ,JRバス・まちバスはSuicaなどが利用可

はじめに,バスとカード・チケット類の対応表です。

金沢のバスで使えるカード・チケットの早見表(2018年1月現在)
ICカード,
チケット類
北陸鉄道バス JRバス まちバス
土休日
限定
ふらっと
バス
周遊バス 兼六園
シャトル
その他
路線バス
小松空港
リムジン
ICa(アイカ) × × × *1
Suica, PASMO,
ICOCA
など
× × × × ×
PiTaPa
ポストペイ
× × × × ×
1日乗車券 *2 × × × ×
JRぐるりんパス*3 × × × × × ×
Japan Rail Pass*4 × × × × × ×

高速バス(加賀温泉能登三井アウトレット高岡富山五箇山・白川郷方面も含む),ライトアップバス*5には,上記すべて使えません。

北陸鉄道バスは独自のICカードが2000円から

金沢でもっとも本数の多い北陸鉄道バスには,ICカードICaアイカがあります。ところが,Suica,ICOCAなど交通系ICカードの全国相互利用には対応していません*6。地方都市のバスでは,今でもよくあることで,たとえば,長野,広島,長崎,鹿児島,沖縄などもそうです*7

ICaはデポジット500円込で2000円の販売。以降1000円単位のチャージで,その都度10%のプレミアムがつきます。また,30分以内の乗継ぎなら,自動的に30円割引されます。

ICaの購入が得なのは,6000円分の支出から

窓口まで出向く面倒のある払戻しは考えず,デポジットを捨てる前提では,購入時の金額を含んで累積6000円目の支出ではじめて得になる計算*8。これが,ICaの購入で得をする「損益分岐点」です。

小松空港へのバスなら3往復目で得

金沢駅から小松空港へのリムジンバス(1130円)では,3往復目で使い切って元が取れます。このバスを継続利用するなら,ICa購入を検討してもよいところ*9

小松空港線は回数券や京急とのセット割が得な場合も

ただし,小松空港線では,10枚綴りの回数券や,京急の品川・横浜から羽田空港とのセット割引券があって,その方が割引率は大。この回数券のバラ売りは,金沢の金券ショップの定番商品で,駅近の自販機で簡単に買えます*10

また,金沢駅と小松空港の乗り場などで売られる金沢駅・小松空港間1130円の乗車券には,金沢駅から200円区間のバス乗車券が付属しています*11。この200円券を使う機会があれば,その事前購入の方が得です。

周遊バスや加賀温泉・能登へのバス,電車線では使えない

ICaは,同じ北陸鉄道の運行でも,観光利用の多い周遊バスや加賀温泉・能登方面を含む高速バスには使えません。ただし,兼六園シャトルでは使えます。また,北陸鉄道が運行する郊外への電車線(内灘・鶴来方面)でも使えません。

観光では1日乗車券がおすすめに

それで,金沢の観光では,平日は3回乗車で得になる,1日乗車券の方がすすめられています。また,観光施設の多くで50円割引などの特典があります。

1日乗車券は(以前はあった)車内売りは終了。購入は金沢駅兼六園口(東口)7番バス乗り場後ろの窓口や主なホテルなどで。

金沢駅の乗り場後ろでの購入時だけSuicaなどが使える

2017年4月から,駅7番乗り場後ろの窓口での購入時にだけ,Suica,PASMO,ICOCAなど交通系ICカード全国相互利用のものが使えるようになりました。物販と同じ扱いのため,電子マネーの方式が違うPiTaPaだけ使えません。買い方と特典などはこちら。

JRバス・まちバスはSuica, ICOCAなどが利用可

一方,西日本JRバスでは,北陸新幹線開業日から,PiTaPa,ICOCA,Suica,PASMOなど,交通系ICカードの全国相互利用に対応しています。

JRバスは,金沢駅兼六園口4番乗り場から,10~20分間隔の発車がすべて(金沢駅発着分全便の時刻表)。本数は少ないですが,全便が武蔵ヶ辻(近江町市場最寄り)と橋場町(ひがし茶屋街最寄り)を通ります。また,一部の香林坊経由のバスだけ,広坂・21世紀美術館,兼六園下にも停まります。詳細は別記事へ。

PiTaPaならポストペイとオートチャージに対応

西日本JRバスは,大阪本社のバス会社で,端末はPiTaPaです。そこで,関西の私鉄と同じく,PiTaPaに限って,ポストペイ方式とオートチャージにも対応

写真は,兼六園下に停車中の,橋場町(ひがし茶屋街最寄り)方面行のJRバス。その乗車口のカードリーダーです。PiTaPaを筆頭に,使える主要カードのロゴが並びます。

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金沢のバスのほとんどは,後乗り前降り。区間により運賃が異なる路線は,乗車時に整理券をとって,下車時に区間ごとの運賃を支払います。ICカード利用時は,乗車バス停の記録のために,乗車時タッチ,下車時もタッチです。JRバスでは,北陸鉄道のICaや1日乗車券が使えないことも,各所に表示されています。

土曜・休日限定のまちバスは100円で,とくに混む

さらに,JRバスが運行受託するまちバス(土休日限定)でも,Suica,PASMO,ICOCA,PiTaPaなどの交通系ICカードの全国相互利用が可能になりました。JRバスと同じく,PiTaPaに限って,ポストペイとオートチャージ対応。100円均一のため,下車時だけタッチでの支払いです。

ルートは,繁華街だけを一方向にループして,駅に戻るラケット状。金沢駅兼六園口5番乗り場→武蔵ヶ辻(近江町市場最寄り)→香林坊(長町武家屋敷最寄り)→広坂(21世紀美術館と兼六園真弓坂口最寄り)→香林坊で行きのルートに戻り,金沢駅まで帰るもの。茶屋街以外なら観光にも使えます。

なお,他のバスでは駅から市内中心部まで200円のところ,土曜・休日は,まちバスと兼六園シャトルだけ100円と安いのが売りです。そのため,観光客よりも,安いことを知っている買物客で混みます。詳細は別記事へ。

タクシーや観光施設など他に利用できるところ

Suicaなどで払いたい観光客が増えるにつれ,街中では使える場所が広がっています。タクシーの石川交通や,兼六園や21世紀美術館などの観光施設です。それは別記事にまとめて,随時更新中。

北陸での全国交通系ICカード初導入はJRバスでした

なお,JRバスのPiTaPa導入時のプレスリリースには,
「北陸で初めて(交通系ICカードの)全国相互利用サービスに対応」
とあって,結局その通りでした。鉄道では,富山のJR線を引き継いだ第三セクター・あいの風とやま鉄道の2015年3月26日でした。

北陸新幹線開業にあわせて,金沢エリアのJRの在来線も,ICカードに対応するのでは,という予想も多かったものの,そのプレスリリースで終息。金沢駅の在来線にICOCA対応改札機が導入され,Suicaも使えるようになったのは,新幹線開業に遅れること約2年,2017年4月15日でした。

*1:JRバスが運行受託する長町ルートを除きます。

*2:周遊バス・兼六園シャトルのルートとその内側をすべて含む,市内中心部の200円区間まで有効です。範囲は時刻表付きマップでわかります。有効区間外への乗り越しは,差額ではなく,境界バス停から乗車時の運賃が必要です。

*3:各種ツアーやJRの割引きっぷなどのオプションで買えるもので,単品での発売はありません。同じく,周遊バスだけに乗れるものに,金沢・加賀2デイパスなどがあります。

*4:Japan Rail Passは,JR全線(のぞみなどを除く)とJRバス(高速バスを除く)が乗り放題になる,おもに外国人観光客向けのきっぷです。短期滞在資格の外国籍であることなどを条件に,海外の旅行会社や日本の主な国際空港と駅などで販売されています。エリア限定の外国人向けパス(Hokuriku Arch Passなど)には,この特典がありません。
 昼間の金沢のJRバスで,外国人客の割合が高いのは,Japan Rail Passの利用者が多いからです。同様に,JRバスがわずかに走る京都市でも,同じ傾向です。

*5:ライトアップバスは,土曜と特定日の夜のみ運行で,1乗車300円。ライトアップバス専用の1日乗車券500円がありますが,通常の1日乗車券とは別の扱いです。

*6:バスのカードリーダーには,Suicaが使えないことが書いてあります。乗車口で誤ってSuicaなどをタッチすると,ふつうのピではなく,ピーと長音の警告音が鳴ります。なお,残高警告はピピピで,ICaなら乗ってから車内で,千円単位の現金チャージができます。

*7:今どき使えないのか,という声をSNSで見ますが,地方都市のバスでは,ICカードの全国相互利用に未対応の地域が,今でも多いのです(Wikipediaの詳細な解説)。
 おもなバスで,Suicaなど交通系ICカードの全国相互利用ができない県庁所在都市を挙げると,以下の通り:青森,秋田,盛岡,山形,福島,宇都宮,水戸,前橋,長野,富山,金沢,福井,岐阜,広島,鳥取,松江,山口,高松,徳島,松山,高知,長崎,大分,宮崎,鹿児島,那覇。
 ここには,長野,広島,長崎,沖縄など,観光客が多い地域も含まれています。
 共通点は,バス会社が大手私鉄かその子会社,関連会社でないところ。全国相互利用とするには,新たに数億円単位の設備投資費用が必要ですが,それに見合うほどの,Suicaなど域外の利用者の増加と増収がなければ,この費用は回収できません。多くの地方都市では,新たにSuicaなどに対応しても,増収分は費用負担に比べて限定的で,民間企業の投資判断としては先送りされます。
 金沢では,本数が少ない西日本JRバスと,同社が運行受託するまちバスだけ,SuicaやICOCAが使えます。それは,JR西日本グループ全体では,財務に十分な余力があり,収益性の高い関西圏と一体で,投資費用の回収が可能だからです。
 改善は少しずつ進んでいて,広島のバスは,現在Suicaが使えないものの,JR西日本のICOCAなら使える状態。2018年春から,Suicaなど全国相互利用カードの片利用がはじまる予定です。広島市は人口約120万人で,空港や呉,福山,岩国などに高速バスが頻発します。それだけの利用がある地域で,ようやくですから,先は長いでしょう。

*8:2000円で購入した時点で,デポジットに500円とられ,運賃として利用可能なのは(2000-500)*1.1=1650円。以降1000円チャージごとに,1100円分利用可能です。そこで,購入後に4000円チャージすると,支出総額6000円に対し,利用可能額が1650+4000*1.1=6050円となり,デポジット分を回収してはじめて利益が生じます。

*9:ICaの「損益分岐点」である6000円分の支払いで利用できる6050円分を,小松空港線で使い切れるのは,乗車6回分の運賃1130円×6=6780円を支払う時点。その先,継続利用なら,引き続きチャージで構いません。それ以上乗らない場合,不足額は現金で払えるので,ICaの残高をゼロにして,休眠状態としても得をします。
 さらに,窓口に出向く機会があれば,残額をゼロにしたICaを払戻すと,実質無手数料でデポジットの500円が戻ります。払戻し時の手数料は,残額の範囲で充当されるため,チャージ額を使い切っていれば,手数料充当額もゼロになるからです。これはSuicaなどの払戻しと同じで,使い切って払戻せば,実質無手数料でデポジットを回収できます。

*10:金沢駅兼六園口(東口)徒歩圏では,旧金沢都ホテルの裏手に移転したチケットプラザ金沢駅前店の自動販売機が小松空港や富山などまでのバスの回数券をバラ売りしていて,24時間稼働。そのほか,ホテル日航金沢の入るビルの地下1階・チケットバンク金沢駅前店にもあります。

*11:車内での発売はなく,駅や空港などで,乗車前の購入が必要です。なお,2016年10月から,一部の便が,金沢駅から武蔵ヶ辻経由香林坊まで延長運転をしていて,その場合は別の用途で使えます。