観光に便利な周遊バスと兼六園シャトル
金沢には地下鉄や路面電車がありませんが,観光地は江戸時代にできた城下町の範囲に収まっていて,バスで簡単に回れます。
観光用のバスは北陸鉄道が運行しています。金沢駅から大きく一周する周遊バスの左・右回りと,兼六園の回りだけラケット状に周回して,金沢駅と往復する兼六園シャトルです。
旅の計画は,時刻表付きマップ(1日乗車券を買うと,紙でもらえます)1枚で済みます。その概要は,以下の通り。バス乗り場は,金沢駅兼六園口(東口)出て左すぐの6,7番。金沢駅の出口は2方向で,兼六園口=東口,金沢港口=西口です。
路線名 | 間隔 | ルートとおもなバス停(最寄り観光スポット) | 運賃 |
---|---|---|---|
周遊バス 左回り |
15分 | 金沢駅東口6番→武蔵ヶ辻・近江町市場→広小路(忍者寺・にし茶屋街)→広坂・21世紀美術館→兼六園下・金沢城→橋場町(主計町・ひがし茶屋街)→金沢駅 | 200円 |
周遊バス 右回り |
15分 | 金沢駅東口6番→橋場町(ひがし・主計町茶屋街)→兼六園下・金沢城→広坂・21世紀美術館→広小路(にし茶屋街・忍者寺)→武蔵ヶ辻・近江町市場→金沢駅 | 200円 |
兼六園 シャトル |
20分 | 金沢駅東口7番→武蔵ヶ辻・近江町市場→広坂・21世紀美術館→県立美術館・成巽閣→兼六園下・金沢城→広坂・21世紀美術館→武蔵ヶ辻・近江町市場→金沢駅 | 200円 (土休日 100円) |
兼六園・金沢城,21世紀美術館,近江町市場は,3路線すべて経由します。その他,ひがし茶屋街などは周遊バスだけです。周遊バスは,金沢駅で定刻まで時間調整しますが,駅を越えてそのまま乗車できます。
なお,2020年4月に,6番乗り場と7番乗り場の入替えがありました。また,新型ウイルスによる観光客減少にあわせて,兼六園シャトルは2020年7月現在運休中です。
平日は3回超乗車で1日乗車券が得
以上3路線のほか,並走する区間などの北陸鉄道バスとJRバス両方に何回でも乗れる,1日フリー乗車券(600円)があって,多くの観光客が7番乗り場後ろの売場で買っています。上のバスに1日3回乗れば,元が取れるからです。
この1日乗車券は,以前はJRバスに乗れなかったのですが,2020年4月からJRバスにも乗れるように改善されています。なお,まちバスなどには乗れません。
1日乗車券の購入窓口では翌日以降分も買える
大型連休などは,この販売ブースには列ができます。混雑期は,以下に書く他の窓口も含めて,買えるときに買ってしまうのがおすすめ。乗車日を言うと,翌日以降の使用分も買えます。
車内売りはすでに廃止
以前はあった車内売りは,なくなっています。古い記述では,車内売りの説明が残っていますので,ご注意ください。
近江町市場向かいや主なホテルでも購入可
1日乗車券の売場は,公式サイトの販売窓口欄で随時改定されます。よく使われるのは以下のとおり(2020年7月現在)
- 北陸鉄道バスの窓口
- 金沢駅東口1番乗り場斜め後ろ,7番乗り場後ろ
- 武蔵ヶ辻(近江町市場向かい,めいてつエムザ1階・黒門小路の左側入口)
- 片町(周遊バス左回り乗り場前)
- 金沢駅新幹線改札向かいの石川県観光案内所
- 兼六園下・石川県観光物産館1階の観光宿泊案内カウンター
- 武蔵地下駐車場
- おもなホテルのフロント
金沢駅以外が出発点のときは,駅以外の売場も活用できます。
金沢駅では新幹線改札対面の観光案内所や1番乗り場側の利用も
金沢駅で乗り場から離れて空いている売場には,駅構内の新幹線改札正面斜め右にある観光案内所や,1番乗り場側に高速バスのチケットなどを発券する建物(北鉄駅前センター)があります。
出典:http://arj.hokutetsu.co.jp/timetable/img/mainbusstop/1.gif|北陸鉄道
金沢駅7番バス乗り場後ろでの購入時にSuicaなどが利用可
7番乗り場後ろの売場に限り,1日乗車券購入時にSuica,PASMO,ICOCAなどが使えるようになっています。買えるのは,交通系ICカード全国相互利用の範囲です。ただし,物販扱いのため,方式の違うPiTaPaを除きます。
この端末はmanacaです*1。バス車内や他の売場では,現在も使えません。
観光施設の多くで50円割引か団体料金に
1日乗車券には,呈示で50円ほど割引になる観光スポットが多くあります。たとえば,鈴木大拙館など市営の有料施設の多くや,ひがし茶屋街の重要文化財・志摩,長町武家屋敷の野村家などです。
21世紀美術館の有料部分や,県立美術館,県立歴史博物館,成巽閣は,団体料金への割引です。
なお,21美の場合は,2020年7月現在,感染防止のために導入されている日時指定チケットなどと重複の割引はありません。21美のチケット購入など,各種ヒントは,別記事を。
以上の割引は,券面に印字される乗車日だけなのにご注意ください。
土休日だけ兼六園シャトルが100円に値下げ
ところで,兼六園シャトルは,土休日だけ100円に値下げされます。後で書く,土休日限定のまちバスも100円で,その競合によるものです。
そこで,この2路線が通る兼六園・金沢城と21世紀美術館だけなら,土休日は200円で往復できます。両方合わせて片道毎時6本と,まずまずの本数。なお,兼六園真弓坂口と21世紀美術館は,広坂交差点の対角線上で,入口の間は徒歩約3分です。
100円のバスはとくに混む
とはいえ,100円のバスは安いので,他のバスより特別に混みます。そこは,乗り場の列で判断を。まちバスのことは別記事に。
他のバスも役立つ区間は時刻表付きマップに
観光向けのバスが混雑する区間でも,一般の路線バスが並走するところも多く,あわせて使うと便利です。混雑時に役立つ説明は,以下の2箇所に。
写真は,21世紀美術館からひがし茶屋街方向へのバス停に周遊左回りが来たところ。2016年,桜が開花した頃で,春休みの平日の昼下がりです。
並行する一般路線バスがない乗り場なので,列は長め。これでも困らないのは,左手前にあたる別のバス停に,武蔵ヶ辻・近江町市場経由の金沢駅行が毎時6本は来ているからで,そちらは行列がほとんど残りません。そういう案内が,マップ右側(pdfでは最終ページ)にあります。
また,写真のバス停の付近には,タクシーが客待ちしていて,急ぎでも大丈夫です。
近江町市場・21美までは一般のバスも使うと数分間隔
とくに,金沢駅↔武蔵ヶ辻・近江町市場↔香林坊↔広坂・21世紀美術館は,一般のバスもあわせて,数分間隔で頻発しています。金沢駅3番,7番乗り場の全便(兼六園シャトルを含む)が通ります。
また,この広坂・21世紀美術館バス停から,兼六園の真弓坂口は,交差点を斜め左に渡り,徒歩で3分程度。周遊バスの列が長い日は,21美↔兼六園は徒歩移動がおすすめです。
1日乗車券は,まちバスでは使えません
なお,1日乗車券は,まちバスでは使えません。使えるバスの早見表はこちら。
北陸鉄道以外のバスで観光に役立つのは,JRバスと土休日限定のまちバスです。JRバスは,全路線がひがし茶屋街最寄りの橋場町を通ります。まちバスは,金沢駅と21世紀美術館・兼六園真弓坂口間などで使えます。それらは別記事に。
とくに,ひがし茶屋街最寄りの橋場町バス停で,駅へ帰るバス待ちの列が長い場合,空いたJRバスなどが来たら,役に立ちます。
JRバス・まちバスはSuicaなどが利用可能
なお,JRバス・まちバスは,Suica,PASMO,ICOCAなど,交通系ICカードの全国相互利用に参加しています。端末はPiTaPaで,PiTaPaに限って,ポストペイとオートチャージにも対応します。
このうち,JRバスは,後ろから整理券をとって乗り,降りるとき払う方式。Suicaなどの場合は,乗るときにタッチ,降りるときにもタッチです。乗るときにタッチしていないと,降りるときにエラーが出るので注意を。
まちバスは全区間100円均一で,Suicaなども降りるときだけタッチです。
*1:北陸鉄道は名鉄グループで,筆頭株主が名古屋鉄道であることによります。